「日本人的」な良い森林

levin2020
2018年9月27日

嘉門洋介さんがリンクをシェアしました。
2016年8月4日
遅ればせながら高知遠征の感想です!土佐の森救援隊の中嶋さん、シマントモリモリ団の宮崎さん、本山町のブロガー(実業家?)のイケダハヤトさんと盛りだくさんで刺激的な3日間でした!各テーマで感じたことをツラツラと書いてみました。
○自伐林家
まず、何より地域に根差して暮らす地域に腰を据えて暮らすスタイルとの調和こそ林業の基本であると再認識しました。地域の暮らしは林業だけではつくられるわけではなく、普段の暮らしと一体になって成り立つものですが、現在の委託型森林施業はこの点に十分な答えを出せていないのかもしれません。
一方、現実は難しく、需要側(製材工場)は並みの品質で安定大量供給可能な木材を求めています。そのことに対応すると経営が所有者から離れ、地域の外に外に利益が流れていきます。本来、山の利益、恩恵を受けるべきは、その思いを引き継いできた、その地域であるはずです。その代表者が地域に根差した自伐林家だろうと思います。
しかし、それだけでは回らない経済性、グローバリズム、商品の汎用化などなど大きな現実があり。。いろいろなことに対応しつつ、林業を持続可能な産業として成り立たせなければなりません。一当時者として、現場からの知恵をいかに発信し、広げていくかが、今後の課題と確信しました。
それと、2日目の晩、お世話になった、山下さんご夫妻から心和むお話をお聞きできたのが印象的です。山下さんのご自宅兼ロッジは総ヒノキづくりの素晴らしいところでしたが、もともと親の代から引き継いだ所有山林より丸太を出し、ご両親同士が親しかった、宮崎さんの製材所で製材加工してお造りになさったとのこと。人の繋がりにより、地産地消で建てられたお家は快適そのもので、温かみに溢れる空間でした。また、いつか行きたいと強く思える場所となりました。
○良い森林とは何か
このテーマについて、自分も考えてみました。原生林が良いのか?多様な動植物が溢れる森林なのか?里山的な森林なのか?稼ぎを生む人工林なのか?明確な答えはありませんが、「日本人的」な良い森林があるのではないかと思いに至りました。
私の好きな民俗学者に宮本常一という人がおります。彼は「自然は寂しい、しかし人の手が加わると暖かくなる」と言いました。(「自然と日本人」http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624924430)。日本の自然は人が安全に快適に暮らす場所(住処(すみか))を形成するため、人が自然に働きかけることで形成されてきており、原生的な自然はほとんどないと言います。良くも悪くも日本人にとって、自然は別の何かではなく、人間と繋がっているものである。(これは内山先生のご講義でもでてきたか価値観とも近いと思います。)それは林業にも落とし込める価値観ではないか。
いわゆる里山が代表例だと思いますが、スギ・ヒノキの人工林も同様に捉えることができないか。つまり、戦後植えられた多くの人工林は、貧しかった当時の暮らしを少しでもよくするため、地域で協同組合を設立し、植林し、労賃を得ることで生活の糧とするとともに、子孫によい財産を残したいという思いが込められたものだったのではないか。そのことが一本一本の木には詰まっており、そのことを思って見てみると、一見、無機質に見える人工林も暖かいものに見えてきはしないだろうか。
宮本氏の言うように日本人の自然観は人が自然に働きかけることでつくられた自然であるとするなら、ご先祖様の思いがつまった人工林も暖かい、良い森林と言えるのかもしれません。(もちろん、戦後造林をやり過ぎてしまったというのは事実でしょうが。)
自伐林業はその点、今ある経済性だけではない(今回受け入れてくださった、宮崎さんは経済的でありましたが)過去の思いを引き継ぐ、日本的な温かみをもった森林づくりをされているとも考えられます。
○イケダハヤト氏
抜群の発信力で都会の読者から収入を生むシステムをつくりあげている、そんなイケダさんが今は、高知のお酒文化、柿、はたまた虫に至るまで、本山町に眠る素材を生かした暮らしを目指す「土の人」になっていたことが印象的です。
それは、田舎という「場」がそのような気分にさせるのでしょうか。最近、住んでいる「場」の重要さをよく考えます。都会にいるとどうしても発想や嗜好が都会的になってしまい、無駄なものを買って、何でも消費するのが当たり前になってきます。個人的な体験で恐縮ですが、かつて九州に暮らしていたときは、そんなことはありませんでした。自然と自分で料理したり、あるものをうまく使うといった嗜好になっていた気がします。
とりあえず田舎に行けば何とかなるというのは、こういった「場」がつくりだす気持ちの面での効果も大きいのではないかと感じます。
それと、イケダハヤトさんのように、自由に何でもおもしろく、新しいものをつくりだし、収入を得られる技術と感性をお持ちの方にとったら、他人や行政の支援など無用。むしろ色々面倒なことをいって、ちっとも話を前に進められない意味のない存在なのかもしれません。でも、そういった人たちとも色々と話すことでアウフヘーベンが起こせるはずだ!とも思った次第です。
長々と失礼しましたm(_ _)m

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