農村の良い森でたくましい子育てをしたい

levin2020
2018年9月27日

宍倉 惠
2016年11月2日
《10月15日〜17日 岡山鳥取遠征のまとめ・感想》
遠征、お疲れ様でした!
だいぶ遅くなりました。申し訳ありません。
急遽予定変更あり、フレキシブルな日程でしたが、1日目の飲み会での衝撃のカミングアウト大会(?)はじめ、充実の3日間だったのではと思います。
皆さんもご感想お願いしますm(_ _)m
※写真たくさん撮りました!こちらごく一部ですので、改めてアルバムつくりますね!
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【15日(土)地域おこし協力隊のOB・OGから学ぼう~地域の務めと定住するための稼ぎ~】
岡山県美作市上山 地域おこし協力隊
水柿大地さま
>在学中から地域おこし協力隊で上山へ→定住
協力隊での経験・基盤を活かす
>地域の課題×自分の得意ごと
*みんなの孫プロジェクト
半日5,000円、1日10,000円
必ずお茶の時間を作ってもらう→500円引
※お茶の時間でのふとした会話の中で困りごとを発見
>さまざまな事業に関わる。
-こだわりは、地域との関連性を意識して、多就業化させること。
-上山に還元されることをやる。自分だけの稼ぎにしない。
>村人との関係づくり
協力隊は選挙活動(笑)。村人との濃ゆい関係。
やるべきことをやる(務めを果たす)ことが、自分の好きなことをやるための準備となる。
-村人への交渉材料
「あの人にならうちの土地を任せられる」
-移住者ミーティング
タスク管理など。職場=生活の場なので、気遣い必要。住民と移住者のつなぎ役となる。
-中途半端に手を出すのは×
土地にしても空き家にしても、やりきることが大事。
>様々なことに挑戦できる環境がある。今なら、色んな知恵を教えてくれるおじいちゃんおばあちゃんがいる。
※夜は移住者の皆さんと合同懇親会
【16日(日)西粟倉元湯ゲストハウスに泊まろう~バイオマス熱エネルギーの活用とゲストハウス運営~、みたき園・板井原散策】
株式会社村楽エナジー
井筒耕平さま
*イントロ。井筒さんの話。いなかの話。
>コンサル会社、エネルギー政策立案から、現場へ。
「誰がやるの?じゃあ自分が現場へ出ないと。」
>大切にしていること
人生一度きり。今を生きること。とにかくやってみること。
「正しい人生」を選んでないか?枠組みなんて本当はないんだよ。また、肩書きも手段でしかない。
>なぜいなかか。
①空いてる資産が山ほどある。ハード施設など。チャンスがたくさん。
②ローリスク、ハイリターン。頑張れば儲かる。
③クリエイティブな人材いない。
事業ができるまで:プロデューサー(金・想い。役場など)→ディレクター(※いない!)→マネージャー(現場監督。3セクなど)→オペレーション(毎日の業務。接客スタッフなど)
ディレクターの不在。そこに人が来れば良いなぁ。
>いなかの面倒なところ
・噂の的
・「定住するの?」
・無意味なことを真面目にやる(=旧態依然なものを良い形に変化させるのが都市に比べて困難?)
・歩かなくなる
・移住者コミュニティと地元コミュニティの見えない壁
*エネルギーの話
>地域内でのエネルギーとお金のまっとうな流れを取り戻さないと。
-農村部の、公共資金(=東京)に頼った異常なエネルギー支出
>西粟倉はどんなムラか。
1480人。NPOやベンチャー企業のような機動力がある。=産業観光課がアクセル。(東京に仕事をみずから取りに行く行動力ある担当者たち)
>百年の森林事業
役場と山主が契約して、林業経営する。→出荷量は600m立方から3800m立方へ。
森の学校、ようび など木材加工にも力を入れてるため、「西粟倉の木」の量が欲しい。=自伐とのミッションの違い
課題(として指摘されていること)
※木が悪くて金になるのか
※高性能林業機械を使用(ハイリスク・ローリターン)
※施業が荒い
⇨そろそろ次のフェーズへ。
量から、質へ。自伐林業の視点の必要性。
>ローカルベンチャー発祥の地
事業展開推移
いきなり課題解決は難しい。
ベンチャー経営→課題解決
民間だからこそ、ルール・ディレクター・方針をしっかりつくれる。
>村楽エナジー、あわくら温泉元湯
宿・観光 63% コンサル20% バイオ17%
元湯コンセプト:子どもの笑顔がまんなかにある大きな「家」
・価格づけの面白さ
・エネルギー(熱)は競合あり
・宿泊はブルーオーシャン
・コンサルもやや自由にできる
>地域おこし協力隊
・起業型:西粟倉村→協力隊(委託費・活動経費)
・就職型:西粟倉村→ローカルベンチャー(委託費、活動経費)→協力隊(委託費)
2パターンあり。
ー「なんでその会社だけ?」→がんばろうとしてるから、資金入る。
>今後
国民宿舎あわくら
2018地域熱供給計画づくり
豊島での遊休施設活用
中川町ローカルベンチャー
鳥取県×日本財団のサポート
地域のコトづくり全般
>西粟倉に縛られず、分野や領域にこだわらず、出会いから始まる新たな世界へ
※みたき園:芦津渓谷の仙境。山菜料理をいただき、女将さんに園内案内してもらう。
※板井原散策:人が住まなくなった消滅集落。だが、最近移住者?がカフェなどを開いている。
【17日(月)地域保育の未来〜森の幼稚園まるたんぼう視察〜、タルマーリー】
森のようちえん
西村早栄子さま
>まるたんぼう、すぎぼっくり特徴
①毎日、森(海・川含む野外)に行く。
智頭93%が森林。
林業技師、移住して半年の西村さん。農村の良い森でたくましい子育てをしたい。若者が戻るルートをつくりたい。→8年前に立ち上げ。
②見守る保育。
個性・感性・自主性・好奇心 伸ばす。
>森のようちえん 3パターン+立ち上げ人の経歴
①自主保育 子育てサークルに近い
②自然学校 土日や長期休みだけ
③まるたんぼう デンマーク、ドイツといった森と親和性高い国での保育がモデル。
+立ち上げが保育関係者or素人(小さい子をもつ親など)
>まるたんぼう、ポイント
1.智頭町全体を森と見立てる
2.立ち上げ素人だけど、経営体
=母が運営、保育士を雇用 共同保育
3.送迎あり、午後の託児あり
4.行政から補助金を受け運営
=智頭町の100人委員会:町民の良いアイデアに予算つける(初動3年間+継続の場合も)
>まるたんぼう、すぎぼっくりの違い
子ども4人からスタート⇨35人に⇨「限度は30人」
5年目にすぎぼっくりを立ち上げ、縁を二つにわける
◎まるたんぼう
定員30人、保育スタッフで現場を作る。保育のプロに任せた方が良い場面もある、という考えから。
◎すぎぼっくり
定員18人、母の関わりが大きい。かつてのまるたんぼうをすぎぼっくりに引き継いだ。
>森のようちえんの良さ
子どもが自分自身で身を守る
ー小さな挑戦を繰り返すことで、「自分はどこまでできるか」判断できるようになる。
『失敗して死なない程度のことは見守ろう』
知識よりも、感じること、不思議だなって思うこと。
字が読めるようになったら、字が読めなかった時代に戻れない。
>これからやりたいこと
◎移住しやすい環境づくり:
1.自然分娩 産む場をつくる。
2.移住後、シェアハウス→町に暮らしながら家を探せる仕組み。
3.週一母が仕事をしたら保育料が払えるようなしごとづくり
◎サドベリースクール、思考力育てる。目標を見つけることで勉強を頑張れる
産む→育つ→学ぶ の一連の流れ
>質疑応答
・大人が100%の遊びを提供するよりも、子どもたちのなかで30〜40%の遊びを作り上げる。子どもの社会を大切に。
・大人の役割は?→①共感者であること。②観察者になること。
本当に大事な時に大人が話すことで、「大人の話すことは大事」と自然と思うようになる。
・森のようちえんの効果は?→潜る、、また出てくる。いつをもって効果をはかれば良いのかは難しいが、現段階では、
小学校5〜6年でリーダーシップを発揮する。観察力育つ。
・義務教育とサドベリー。社会と繋げていくことが課題。
・サドベリーの在り方、、IT系だけだともったいない。
大人が決めたこと、ではなくこどもたちは自分たちで決めたことは責任を持つ。やりたいこととやるべきことを行ったり来たりしながら生き方。決めて行く。
・森のようちえんの内容は、日中×森の中×集団だからできること。100%家で再現するのは無理。
安全管理の覚悟も必要。
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【感想】
◎上山地域おこし協力隊
協力隊は選挙活動、その通りだなあとと頷きながら聞いていました。笑
地域との関連性を意識しながら事業を作り上げる、という考え方は、すごく大事で、そうあるべきだと思っている人は多くても、誰もが守れることではないよなぁと思いました。それだけの覚悟が水柿さんにはあるのだと。地域を守りながら地域に守られていく、まさに循環のあるべき形ですね。「はたらく」は、側(はた)を楽にすること。そうすれば、いつかは自分に回ってくる。そうして、お金・思いやる気持ちが、どこかで滞留することなく巡っていくことが、最大多数の最大幸福をつくるのだと思います。
また、楽しそうな農作業の風景を写真に収めて広報する、という姿勢も印象的でした。頑なに、「田舎で暮らす厳しさをわかっていない!」という態度をとる地元の方がいたりしますが、あまり賛同できません。気持ちはわかりますが、、。それよりも、地域に入る意思のある人と、しごとづくりを考えたり、地元の人との橋渡しをする役割に回った方がよっぽど有意義ではないでしょうか。移住する側の覚悟はもちろんですが、受け入れる側もなるべく寛容でいてほしいものです。合わない部分は、話し合えば良いのですから。
◎西粟倉
岡山にいるときも「あそこは頑張りよるなー」とおじいちゃんたちと話していた西粟倉村。訪れるのがとても楽しみでした。
井筒さんはまさに都市と農村のハイブリッド!という印象で、石徹白の平野さんと似た、知性と人情味、両面を感じる方でした。
西粟倉でのひとつのモデルを各農村に広めていけたら良いのかなあと思いました。
板井原から帰宿後の夕食までの時間、散歩をしようかなと思い、外に出たところ、地元のおじさんがふたり、井戸端会議をしていたので、入れてもらいました。西粟倉のことや、わたしがゆかりのある鏡野町など、岡山の話をしていました。そのうちのお一人は、「若い人が入って来てるが、あまりコミュニケーションがとれていない、付き合いが薄い。何をやっているかわからない。地域おこしできても帰ってしまう人がいる。なんのためにやってるんだ、、。」ということを、切実にお話しされていました。
うーん、なかなか難しい問題だなぁと思います。実感から、町民全員と親しくなることも、認めてもらうこともできないですし、合う人、合わない人がいるのは当たり前です。仕事が忙しくて地域のつとめを果たすことができないのも、心苦しいけれど致し方ない部分もあるかなと思います。しかしながら、水柿さんの仰る通り、ある意味協力隊は選挙活動である、ということも非常に納得です。その人脈から、信頼が生まれ、土地を借りることができ、仕事がまわってきて、まわりまわって地域のためになる、と思うからです。
だから正直、西粟倉の協力隊の入れ方はどうなんだろう?と思うところがあります。いきなり職員として入ってしまっては、地元との関係を築くのが難しくないでしょうか。だからこそ、1年目は、地域おこし協力隊も、緑のふるさと的な、「なんでも屋さん」である方が良いのではないかと思うのです。地域の全体像を知り、たくさんの知人ができるような仕組みが、良いような気がします。流行る気持ちもわかりますが、早ければ上手くいくものでもないような、気がします。
◎森のようちえん
何から何まで、衝撃的でした。包丁を使ってるとハラハラするし、準備を手伝わない子も、えー良いのかなあ?という疑問を持たざるを得ませんでした。が、そのあとの西村さんの講義で、たくさんの疑問が、すとんと腑に落ちたなぁ、という感じです。
何か嫌なことをされたら、「先生に言いつけるよ!!」が定石だった自分の幼稚園時代を思うと、信じられない子どもたちの問題解決能力。子どもは純粋ゆえ、子ども社会は、かなり厳しい、そうです。働かざる者食うべからず、もストレート。子ども同士のやりとりの中で、人間関係も次第に学んでゆくとのこと。
義務教育とのすり合わせが課題だそうです。「教育」とは何か、いまの時代に合ったものを考えなくてはならないですね。特に小さい頃に、いったい何を教え、どのように育てるのか、時代とともにすべきことは、変わるように思います。ただ、義務教育を変えるのは、とても時間がかかりそう…。
現段階のようにプロジェクトベースではじめていって、賛同者が多ければ、少しずつ既存のもののあり方も見直されるかもしれません。
なかなか、『コレができたから森のようちえんはすごい!価値がある!』という風に評価することは難しいと思います。むしろ、そういった数値化できない部分にこそ、学びがあり、何にも代え難い価値があるのだと思います。ここで育った子どもたちがどんな大人になるのか楽しみですね。

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