郡上踊り

levin2020
2018年10月11日

2016年9月7日 ·

岐阜県郡上八幡で400年以上踊り継がれてきた「郡上踊り」に参加した。郡上踊りは、花笠踊りと阿波踊りに並ぶ、日本三大踊りのひとつだ。江戸時代に士農工商の融和を図るために始まったという。7月中旬から9月上旬までの2ヵ月にわたり32夜踊り続く日本一長い盆踊りである。通常は夜の8時から11時まで踊る。時間が遅いので、踊っているのは大人だけだ。特にお盆の4日間に夜通し踊られる徹夜踊りには、毎年数万人の踊りファンが訪れる。

踊りは10種類あるが、博覧館の2階で「猫の子」と「三百」の2つの踊りを教わった。お囃子と音頭取りは保存会のボランティアの方々の活動に支えられている。地元の人も観光客も、通りの中で細長い三重の輪になって踊っていた。中心で踊っているのは踊りの上手な保存会の人たちだろう。女性の浴衣姿が町の風情によくあう。私も踊り下駄を履いて浴衣姿に手ぬぐいをもって、久しぶりに踊った。


踊りの期間中、郡上踊りの中心となる「旧役場前」の広場の上空には、切子灯籠(きりこどうろう)が吊されている。この切子灯籠は、亡くなった人の魂の供養のため、家の中の仏壇などに飾るものである。「切子」とは「切籠」の意である。四方に角を持つ特徴的な形は、魔除けの竹籠に由来するものである。郡上踊りが、先祖の霊や新精霊を迎えて、ともに踊るという盆踊りの本来の目的を示している。かつて郡上では手ぬぐいで顔を隠して踊っていたという。その姿は、盆に戻った祖霊や精霊が踊っていることを表している。道で踊るのは、他界から盆に来る霊を迎えたり送ったりするのにふさわしい場所だからである。城下町のなごりで、郡上の道は狭くて複雑である。しかし道が狭いことがかえってこの街の魅力を高め、踊りを熱狂的にさせている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です