寺田本家(酒蔵)24代目当主の寺田優(まさる)さんから、お酒の製造現場を見学しながら、寺田本家の伝統的な酒づくりに関してお話を伺った。麹室に入れてもらったり、もと摺り作業のときに歌う唄を聞かせてもらったり、発酵中のもろみを味見させてもらったりした。最後にここで製造されている「五人娘」などの日本酒を味わいながら、いろいろと質問をさせてもらった。
寺田本家のある香取は、稲作が盛んであり、良水と利根川の水運に恵まれた環境にあるため、昔から酒づくりが盛んであった。しかし近年は、ビールやワインなど他のアルコ-ル飲料が飲まれるようになり、日本酒は売れなくなっている。先代の寺田啓佐(けいすけ)さんは、著書の「発酵道」に詳しく書かれているように、大病を契機に、人の健康を考えた無農薬栽培の稲を使った伝統的な生もと仕込みによる酒づくりを復活させて、衰退していた寺田本家を立ち直らせた。
日本酒は、麹カビによる米でんぷんの糖化と、酵母菌による糖のアルコール化(発酵)を同時に行って製造される。麹、水、蒸米に、種となる酵母を加え、乳酸の強い酸性下で酵母を純粋培養して、酒母(しゅぼ)をつくる。伝統的な生もと仕込みでは、半切桶に蒸米と麹を入れて櫂(かい)ですりおろす「もと摺り」作業を行い、乳酸菌に乳酸を作らせる。乳酸の強い酸性によって有害な雑菌や乳酸菌自身を死滅させ、酵母のみを大量に培養する。
その後、酒母、麹、水、蒸米を発酵タンクに仕込み、およそ1か月かけて発酵させる。発酵が進み、アルコ-ル濃度が高くなると、死んだ酵母からは雑味成分が漏出してしまう。しかし生もとの酵母は、麹がつくる適正量の糖を餌にして育つので、20%もの高濃度のアルコ-ルという厳しい環境の中でも逞しく生き残る。その結果、雑味のない深い味わいの酒が生まれるという。
ワインのアルコ-ル濃度は8%くらいだから、日本酒の酵母がいかに野性的か想像できる。これは不耕起栽培の野性的な稲を連想させる。生き物の持ち味や本来の野性的な力を引き出す環境づくりが重要であるという。視聴した映像では、寺田本家の杜氏(とうじ)の人たちも、温度調節以外は機械をできるだけ使わないで、野性的に働いていた。
先代は「人間も菌も自然の中の生き物なのだ」という考えに基づいて、「自分らしく、仲良く、心地よく生きる」といった発酵的な生き方を提唱している。これは自分らしさを大事にしながら、人の役に立つような生き方である。これからの暮らし方を決める上で、大変参考になった。2016.2.23
月: 2018年9月
寺田本家の哲学
里山資本主義
藻谷先生の考えは、「里山の暮らしには、収入が低くても水と食料と燃料が手に入る安心感がある。そこには子どもの世代が子育てしやすい環境があるので、地方の過疎化や孫の世代の人口減少を食い止められる可能性がある」というものである。現状を悲観せずに明るい未来を描こうとする姿勢は素晴らしいと思う。
自然と調和した暮らしをはじめると、人々の間に協力関係が広がっていくと期待される。しかしながら苦労して自然と関わる暮らしができたとしても、気が付いたら高齢化のせいで隣人がいなくなり、自分が孤立してしまうのでは困る。だから予め移り住む村の人口動態に関心を持つことには賛成である。人口動態は村や町の持続的発展の指標になるからである。
村や町の持続的発展のためには、環境保全的な暮らしだけでなく、村や町に稼げる仕事をつくることが必要である。例えば村の業者を使って家を建てることや、村の魅力を発見して稼ぎに変えていくことが、稼げる仕事を増やす。そうした活動によって現役世代が村や町に集まってくれば、村に活気が戻り、持続的発展が可能になると考えられる。
藻谷先生は全国の村や町での起業をコンサルティングするお仕事をされているようである。今回は人口動態の話が多かったが、いろいろな村や町の魅力や課題についてもっとお話しを聞かせてもらいたかった。2016.2.15
結びあう世界
内山先生が述べておられるように、近代は、宗教から政治、経済、社会、技術が切り離されて成立しました。宗教的な倫理観を失ったために、政治的な争い、経済的な争い、社会的な争い、技術的な争いが生じ、暴走しているのが現代です。その結果、世界的に自然破壊が進行し、人々は孤立してしまいました。お金のために忙しく働くことしか知らない私たちは、戦争や貧困に対して無関心になり、幸せな暮らしを顧みる余裕がありません。
しかし手遅れにならない前に勇気を出して、「競争し合う世界」から「協力しあう世界」へ戻らなければならないのです。「結びあう世界」とは「人と人、人と自然が協力し合う世界」のことです。「私は村の人々と自然に守られている」と感じられるような暮らしです。
内山先生は、村暮らしの体験を踏まえて、何でも自己解決してこなければならなかった私たちにとって、「結びあう世界」とは「自分が助けてもらえる世界」だと思えばいいと、優しく言っておられたような気がします。2016.2.9
ワンポイント英会話 No.003
日本人は冗談めかした表現が苦手です。簡単なアイロニ表現を学びましょう。
アイロニ表現は、心の中で思っていることと反対の意味の言葉を使って、少し冗談めかして伝えます。それに対しては冗談めかして答えましょう。
A: We are so pleased that you’ve stayed so long!
こんなに長い間いてくれて、とても嬉しいわ!
B: I’m so happy to hear that, too, Ms. White but I have to leave now.
そういって頂いて嬉しいです、ホワイトさん。でももう帰ります。
A: We had great time. Join us again?
とても楽しかったわ。また来てくれる?
嫌味かどうか確かめるに、直接聞いてみることもできます。
A: We are so pleased that you’ve stayed so long!
B: Are you being sarcastic, Ms. White? (それって嫌味?)
A: Maybe, it’s about time we had dinner. (はい、そろそろ夕食の時間なのです)
ワンポイント英会話 No.002
日本人は相手を傷つける表現が苦手です。簡単な嫌味表現を学びましょう。
彼氏が「どうして僕は君と結婚できないんだろう?」などと言ったら、どうしますか? 彼を慰めますか? それとも思いっきり、バカにしますか?
・慰める場合
A: Why can’t I marry you, Kayoko?
B: Oh, it’s not your fault. (あなたのせいではないわ)
・バカにする場合
A: Why can’t I marry you, Kayoko?
B: Maybe it’s all in your genes. (多分、あなたの遺伝子のせいよ)
一見、「遺伝子のせいだから、あなたのせいではない」と慰めているようでいて、実は相手の能力を絶対的に否定する表現を学びました。
ワンポイント英会話 No.001
日本人は皮肉の入った会話が苦手です。簡単な皮肉表現を覚えましょう。
「おい、マ-シャ、世界はキミを中心に回っているわけじゃないんだよ」と偉そうに相手があなたを批判してきたときに、あなたは何と言い返しますか?
A: Hey, Marsha, the world does not revolve around you,
B: それは悪かったね
思いっきり謙って皮肉を込めていいましょう。
・Excuse ME for living. (生きていて、ごめんなさい)
MEの部分を強く発音します。もちろん
・Excuse ME for breathing. (息をしていて、ごめんなさい)
でも結構です。但し、何十回も練習しないで下さい。悲しくなるから。
甲斐善光寺
甲斐善光寺は永禄元年(1558年)、川中島の合戦に際して信濃善光寺の焼失を恐れた武田信玄が本尊善光寺如来をはじめとした善光寺の仏像・仏具を甲斐に移して創建したことに始まります。
Kai-Zenkouji temple started in 1558 by shogun Shingen Takeda in order to transfer the principal object worship Zenkouji Nyorai statue and Buddhist altar objects from Shinano Zenkouji to Kai-Zenkouji for fear of the attack to Shinano Zenkouji in the battles of Kawanakajima.
武田氏が滅亡した後、本尊は織田信長、徳川家康、豊臣秀吉らのもとを転々としましたが、慶長3年(1598年)に信濃善光寺へ戻されました。
After Takeda family was overthrown, the principal image immigrated from Nobunaga to Hdeyoshi and Ieyasu. Finally it was returned to Shinano-Zenkouji in 1598.
甲斐善光寺の山門と本堂は江戸時代中頃に大火で焼失してしまいましたが、ほどなく山門が、続いて本堂も再建されました。昭和に入ってからも災害に遭い、大規模修繕がなされて今日に至っています。
Sanmon gate and the main building of Kai Zenkouji temple were burned down at the middle of Edo period. It was not long before they were reconstructed but they were damaged in Showa period again and repaired in large scale.
甲斐善光寺の山門は朱塗りの楼門(2階建ての門)で、両脇には仁王像が祀られています。門の2階部分には手すりの付いた板廊下がめぐらされ、堂々たる姿で参拝に訪れた人々を出迎えます。
This sanmon gate of Kai Zenkouji is a vermilion-lacquered two-story gate called Romon gate and Niouzou statues are enshrined on both sides. They welcome worshippers with solemn dignity.
山門をくぐって正面に見えるのが、山門とともに国の重要文化財に指定されている金堂(本堂)です。金堂の中陣天井には巨大な龍が二匹描かれています。その下で手を叩くと音が反響して龍の鳴き声のように聞こえるということです。甲斐善光寺の鳴き龍は日本一の規模ともいわれます。
After entering Sanmon gate, you can see the main temple building, Kondo designated as an important cultural property as well as Sanmon gate. Huge two dragons are drawn on the ceiling of Kondo’s central chamber. You can hear the echoes of your clapping as cries of dragons. The scale of cries is said to be one the largest in Japan.
また、甲斐善光寺では信濃善光寺と同様に⌈お戒壇巡り⌋を体験することができます。金堂(本堂)下の真っ暗な通路を進んで鍵に触れ、御本尊様と結縁を果たしましょう。
境内に建てられた宝物館では、木造阿弥陀三尊像をはじめ源実朝像など数多くの貴重な文化財が展示されています。
And you can experience the migration of ordination halls in Kai Zenkouji temple as well as Shinano Zenkouji temple. Let’s make a karmic connection with Buddhism by touching the key at the end of the dark hall way under the Kondo. You can also see other exhibitions such as Wooden Amida Sanson statue, Sanetomo Mminamoto statue and other precious cultural properties in Homotukan musium.