過剰な窒素肥料の問題点

levin2020
2018年10月2日

2016年8月15日 ·

慣行農法では、流通に耐える、色の濃い見栄えのよい野菜を大量に作るために、農薬と化学肥料と大型の農業機械を用いる。化学肥料を使うと、窒素分が増え、野菜の緑色が濃くなる。窒素肥料はアンモニウムイオン(NH4+)を放出するが、土の中の細菌の働きによって酸化されて硝酸(NO3-)イオンになる。植物は根から水に溶けた硝酸塩を取り込む。しかし土壌中の粘土はマイナスに帯電しているので、硝酸イオンは、土壌中に留まらず、容易に水で流されてしまう。投入した肥料の窒素の半分は流出してしまうと言われている。そのため化学肥料が多量に投与され、慣行農法の土壌の窒素はいつも過剰になっている。
過剰な窒素は硝酸性窒素として野菜に残留し、野菜の味を悪くする。中でも亜硝酸は肉や魚の分解物であるアミンと胃の中で反応し、発がん物質であるニトロソアミンを生成する。硝酸性窒素は野菜を弱くするだけでなく、窒素を求めてやってくる昆虫や雑草を増やす。さらに大型機械を用いて大面積に単一作物を作ることで、連作障害や病害虫被害が多発する。慣行農法では野菜を守るために、大量の農薬が用いられている。日本の農薬使用量は米国の7倍で、世界1位である。たとえ野菜に残留する農薬は規定値以下であるとしても、農薬や肥料による地下水、河川、海水の汚染は深刻である。熱帯魚を飼っている人は知っているが、魚の許容濃度は、硝酸塩が100 (mg/L)以下、亜硝酸とアンモニアは0.2 (mg/L)以下である。亜硝酸とアンモニアは5 (mg/L)を超えると、殆どの魚は死滅する。

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