石徹白の横軸フランシス水車(HF-1RS)

levin2020
2018年10月11日

2016年9月4日 ·

次に見学したのは2014年に稼働した国産(田中水力)の横軸フランシス水車(HF-1RS)である。設備費用と出資は先ほどと同じであるが、事業主体は岐阜県である。フランシス水車は、標準的な反動型の水車であり、落差は10m~100mで0.3m3/s以上の高流量用の水車である。水流の方向がライナで直角に変えられる時の反動でライナが回転するため、水圧と速度の積が効いてくる。
69[kW]=9.8[m/s2]×0.19×1000[kg/s]×44.4[m]×水車効率×モ-タ効率
を解くと、モ-タ効率が90%ならば、水車効率は85%になる。水車内部が見えないので、内部のライナ構造を展示してあると良かった。
水力と太陽光発電とどちらが有利なのだろうか?出力125kWのシステムは、太陽光発電だと3400万円くらいする。水力は24時間だが、太陽光発電は一日8時間しか発電できない。パネルの寿命は30年である。山間の村では日照時間が短いかもしれない。冬季は太陽光パネルに積もった雪を払う手間がかかる。水車の寿命を60年とすると、太陽光の6倍発電できる。総発電量で比較すると、石徹白(いとしろ)では雪を払う人件費の分だけ、水力発電の方が有利になるのかもしれない。元を取るまでは、石徹白は存続させるという決意が表れている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です