郡上のシルクスクリーン印刷による手ぬぐいづくり
2016年9月10日 ·
水路のある「いがわ小道」を歩いてゆくと、古い町屋の内部をコンクリート壁に改装したお店「タカラギャラリー」がある。店主の上村真帆さんは愛知県出身のグラフィックデザイナである。真帆さんの夫のご実家は郡上市大和町でシルクスクリーン印刷業を営んでいた。旦那さんが家業を継ぐため、真帆さんはやむなく郡上へ移住することになったとう。結婚して3年後の2012年に真帆さんはシルクスクリーン印刷による手ぬぐいづくりが体験できるお店を開いた。手ぬぐいは郡上踊りの必須アイテムのひとつであり、浴衣の襟が汗で濡れないように、襟を手ぬぐいで覆う人が多い。
実は郡上はシルクスクリ-ン印刷の発祥の地である。シルクスクリーン印刷機は1948年に岩手の菅野一郎氏によって発明された。翌年、美濃紙業所がシルクスクリーン印刷用機材の製造販売を開始し、印刷職人の養成所を郡上八幡に開設した。
郡上おどりで用いられる手ぬぐいは100cmであり、通常の手ぬぐいより10cm長い。印刷体験の基本料金は1,000円で、柄をひとつ追加するごとに500円かかる。柄や配置を考える時間が約10分、スキージを動かして刷る作業が約20分、合計30分ほどでマイ手ぬぐいが出来上がる。簡単なので親子で一緒に楽しめる。インクに顔料を用いるシルクスクリーン印刷はインクが厚くのるので、色褪せしにくく、鮮やかさを長く保つことができる。お店の女性スタッフがスキ-ジの動かし方を教えてくれる。お店は繁盛しており、2か月先まで予約が埋まっているという。自分でデザインした手ぬぐいを首にかけて踊ると、それは旅のよい想い出の品になる。手ぬぐいは容易に持ち帰えれて、場所もとらない。