現代食生活の問題点

levin2020
2018年9月26日

食生活はすべての人の課題であり、食生活がすべての問題の中心にあるようだ。日本には、和食、洋食、中華など様々な料理があり、戦後、私たちの食生活は豊かになったように思われる。しかし一方で食べ過ぎて肥満に悩む人や、糖尿病、脂肪肝、歯周病などの生活習慣病や化学物質過敏症などのアレルギ-疾患に悩む人も多い。講師の幕内秀夫氏は、栄養士であり、学校給食の完全米飯化のための講演活動や、和食文化再興のための文筆活動を行っている。講演では、日本人の食生活を振り返り、現代食生活の問題点が砂糖と油脂の取り過ぎであることを指摘し、その原因となるパン食を控えて、ご飯をしっかり食べることを奨励した。
日本人の50%の人が朝食にパンを食べているが、乳がん患者の80%以上が朝食にパンを食べているという。近年は、美味しい菓子パンや調理パンが増えているが、パン食には、なにか問題があるのだろうか?
パンに限らず「カタカナ食品」の多くには、炭水化物(糖)や砂糖、油脂、化学調味料が含まれており、食欲が刺激されて過食になったり、食べないではいられなくなったりするという。例えば、サツマイモに砂糖を添加すれば芋ようかんになり、さらに油を加えればスイ-トポテトになり、さらに化学調味料を加えると、おさつスナック菓子になる。ピザやハンバ-ガには、砂糖のたっぷり入ったジュ-スや牛乳がついてくる。食品・飲食業界はそうした食品や飲料を開発し、巨額の利益を上げている。これらに含まれる油脂の殆どが精製油であり、ビタミンやミネラルが欠けている。パンやフライドポテトに含まれるマーガリンやショ-トニングなどのトランス脂肪酸は、心臓病との関連が指摘され、日本でもようやく規制されるようになった。お弁当に入れるハムやソ-セ-ジなどの食肉加工品も避けたほうがよいという。幕内氏は、従来の栄養バランスだけの食育教育では不十分であるという。行政は、問題に気づいていても、決して食べてはいけないとは言わない。だから親がしっかりして、子供たちにちゃんとした食事や給食を提供しなければならない。
一方、人間に必要なものだけを出す刑務所では、3食500円の和食が提供される。パンは食品添加物が多いが、ごはんは無添加である。ご飯に合うみそ汁やお浸しは健康に良く、そこではみんな適正体重になる。和食は、健康、食文化、農業、魚業、自給率、環境負荷、経済など様々なものを守るのに貢献する。
日本は小麦の85%を輸入に頼っており、パン用の小麦は99%が輸入小麦である。日本に輸入される小麦には、収穫後にリン酸系の殺虫剤(ポストハ-ベスト農薬)が混ぜられる。ちなみに日本は、小麦の残留農薬の濃度が規定値(8ppm)以内なら、輸入を認めており、給食のパンにも検出される。全粒粉のパンなどはむしろ残留濃度が高いはずである。今のところ遺伝子を改変した小麦は市場に出てはいないようである。2004年にモンサント社は遺伝子改変小麦を開発したが、反対されて販売を中止した経緯がある。
安全な国産小麦はグルテン含有量が低いのでパンやパスタには向かないが、こねて野菜汁に入れるか、うどんにして食べると美味しい。講演では国産小麦を用いた様々な伝統料理が紹介された。2016.4.6

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