健康にいい伝統食を稼ぎに
2016年7月10日
農協の広域合併、市町村財政の悪化、高齢化や人口減少を背景として、農山村地域の住民が何かしらビジネスに挑戦しなければならない時代になってきている。前回は、農山村で持続的な稼ぎを生み出すための基本的な考え方を学んだ。農山村ビジネスは環境や地域に対しても継続的に利益をもたらすものが望ましい。
今回は、まず「よい会社」について考え、次に事前に考えてきた農山村ビジネスについてグル-プ内で話し合い、発表した。講義では、起業には様々なタイプがあるが、農山村で持続的な稼ぎを生み出すためには、よい商品やサ-ビスを開発するだけでなく、その価値を十分に分かってくれる顧客に販売することが重要であることを学んだ。時間があれば、もっと農山村ビジネスの成功例も聞いてみたかった。
無農薬の米や野菜は環境と健康によいが、それらを作るだけでは、十分な稼ぎを得るのは難しそうだ。稼ぎを増やすためには、インタネットを使って直売するか、保存加工して販売するなどの工夫がいる。例えば1本100円の大根も漬物にすれば500円で売れる。その場合、できるだけ無添加で健康によい商品にすることや、栽培風景を配信するなどして信頼関係をつくることが重要だ。漬物は村に住む高齢者の力と技が発揮できる商品でもある。漬物には、塩、味噌、醤油、米糠などの加工原料が必要となる。無農薬の食材と加工原料を同じ地域の農家や醸造家から購入できれば、地域循環型経済の実現に貢献できる。農山村で培われた伝統食は健康にいいので、それを稼ぎにできれば理想的だ。