嘉門さんによる特別講座のまとめと感想

levin2020
2018年9月27日

宍倉 惠
2016年9月27日
≪9月22日(木) 特別講座 林業の未来~森林・林業の今と自伐型林業~ まとめと感想≫
嘉門さんによる特別講座のまとめと感想を共有致します。
皆さんも是非ご感想をお願いします!
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◎林野庁とはどんな組織なのか
森林・林業の復興をはかる組織。戦後復興からはじまり、現在は、林業の根本的な問題解決のために多様なアクターとともに環境や産業分野など多岐にわたる取り組みを行っている。
◎森林整備と補助金
補助金が支払われる事業の対象は2つ。
・公共事業:森林整備事業(★森林の整備・林道の設置)、治山事業
・非公共事業:人財育成、林業機械化、製材工場の設備整備など
★公共事業=健全な機能が発揮され、恩恵を国民に行き渡らせるため支援を行う。市場のみに任せておくものではない。
森林=個人の財産であると同時に、国・国民全体に広くその恩恵を行き渡らせるべきもの。
⇒従って、森林の整備は公共の事業として行われ、補助金が支払われる。≠大規模林業支援
<個人への努力義務を課し(権利と義務のバランス)、且つ、国の責務として「森林整備事業」として管理経費等支援。>
◎森林管理の担い手
「森林所有者」…権原に基き森林の土地の上に木竹を所有し、及び育成することができる者。
中山間地域の過疎・高齢化により、森林所有者による管理が困難になっている。(不在村者24%)
⇒「森林組合」…個人で管理困難な森林の委託を受けて、施業又は経営を行う、森林所有者の共同組織。
※補助は個人でも業者でも森林組合でも平等。が、生産量多い=手間多=標準単価高、という計算のもと、階段状に支援が増加するため、現段階の仕組みでは大規模事業への支援が多いのも事実。
⇒どこまでが「公共事業」でどこからが「営利目的の経済活動」なのか?上限制定すべきか?
◎間伐・主伐を考える
・間伐:樹木の混み具合に応じて育成する樹木の一部を間引きし、残存木の成長を促進する作業。主伐までの間に育成目的に応じて間断的に実施。
・主伐:次の世代の森林の造成を伴う森林の一部又は全部の伐採。
※循環的に森林を利用するため
①林業経営的にいつ間伐、主伐を行うのかが適当か
②環境的にどの程度の規模で行うのが適当か
バランスをとることがポイントでは?
★主伐について
・過度の伐採による公共的機能の低下の防止⇒伐採と造林の届け出の義務
※無届伐採・再造林の不履行などを把握しきれていない地域も?
※伐採→ブローカー通して土地売却 というルートで再造林されない土地もある?
★木材産業について
①国産材供給率50%が目標
②大規模製材工場の増加
⇒安定した木材供給が求められており、行政として相応の政策的誘導が必要。=大規模化
◎自伐林業について
・家族林業経営体に近い概念
※高知遠征参照
・林野庁として、森林組合とともに林業経営の主体として積極的に位置づけ。土地に人がいない→委託化
◎林業の根本的問題と解決のために
問題点
①所有者不明・境界不明の森林の増加
②小規模・零細な所有構造に起因する国産材の低い競争力
⇒関係者が立場を超え一丸となり解決すべき。
・林野行政が自伐林家を排除したのか?時代が排除し、委託型施業にせざるを得なかったのだろうか?
・国産材の競争力向上という課題
・大規模化による安定供給が自伐の小ロット生産を成り立たせているのでは?=相互に影響を与え合ってる存在では?
・森林組合vs自伐 という対立構造ではなく、地域の森林を地域で守るためにどうすべきか。技術向上のため協力すべきでは。
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◎質疑応答
以下、一部抜粋
・標準伐期=市場で流通しやすいという意味とも言える
・林野庁は意思決定機関(方針定める)?調整機関?
・大規模化は未来をもたらすのか?そもそも集成材やCLTが大量に使われる市場って、、?
・機械化した分の借金取り戻せるのか
・大規模な資本はどこに滞留するのか…機械メーカー・資本家
・長期での成長が必要な川上、短期で効果あげなくてはならない川下
★対立でなく良い技術を広めるべき
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【感想】
嘉門さんお話ありがとうございました!僭越ながらまとめを作成しましたので、何かございましたらご指摘くださいm(_ _)m
大きな流れを学ぶことができ、林業の全体像を眺めるため、非常に勉強になりました。
担い手がいない、しかし製材所の拡大により、従来の方法では間に合わない そして主伐が必要である。という、誰が誰を貶めようとしてるのではない、ジレンマを抱えた世界だと思いました。
質疑応答のときにも出ていましたが、何のために国産材を増やすのかーーということをもう一度考えるべきではないかと思いました。
「国内で国土を守るとともに資源と資金を循環させる」ということに重点が置き、ひとつの方向に向けて舵取できたら、現行の問題点を解決するために、様々な立場の人が協力できるのではないでしょうか。
高知遠征と今回の講義を聞いて、率直に、今は目指すべき具体的な場所が見えてこない?orバラバラだから、分かり合えない・建設的な議論ができないのでは?と思いました。
嘉門さんのおっしゃるとおり、良い技術を広めるために立場を超えて良い林業がつくられていけば良いなぁと思います!

平野夫婦から学ぼう in石徹白

levin2020
2018年9月27日

宍倉 惠
2016年9月1日
《8月27日(金)〜8月29日(月) 岐阜遠征 講座のまとめ・感想》
岐阜遠征、お疲れ様でした!
簡単にですが、講座のまとめと感想を共有致します。
写真は後ほどアルバムにも追加しますね。
遠征全体について講座・アクティビティについてなど、なんでもOKですので、皆さんも是非ご意見・ご感想お願いします!
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《1日目 小水力発電による過疎地域おこし&小商い石徹白洋品店、平野夫婦から学ぼう in石徹白 平野彰秀さま、平野薫生里さま》
郡上市石徹白:縄文時代から年間1000人の人が出入りする、霊峰白山への登山口・神社が鎮座する歴史ある集落。
【小水力発電】
平野さん…岐阜市出身。まちづくりNPOで仕事の傍ら郡上に通う。
◎小水力発電ができるまで
「食べ物やエネルギーの自給で金が地域で循環し、地域が復権するのでは?」と、地元のNPOと小水力発電で意気投合。先進地視察や専門家を呼ぶなど研究を進める。
地元の人と作り上げるため、まずは関心を持ってもらうところから。
①若手でwebサイトづくり
②水車の見学に人が来る→要食事場所提供
③地元女性によるカフェ(くくりひめ)
④ドライフルーツ・特産品
→発電〜別の活動に繋げていく。
◎「石徹白小学校を残そう」「私は子育て あはたはチャレンジ」(=地域皆の孫・信頼関係・良環境のなかでの子育て+自分でしごとをつくりだし生きてゆく)
移住者13世帯27人。内7世帯が家族連れ。しごと=農家、地域おこし協力隊など。
◎小水力発電概要
そもそも生活のため為すべきことが多い集落で人々はどのように暮らしていたか?→結の作業。しごとをつくる。出資して協働組織づくり。
都会化して個人主義が進みつつある。地域の結束高めるためには皆で地域のことをしよう。
①小水力発電で資金づくり
②他の事業へ投資
→地域が力を取り戻す。
計4つの発電機がある。
地域全戸出資(+助成金)による農協が事業主体となっているもの・明治時代の手掘り水路を活用したもの・岐阜県との協働で設置したものなど。
電力会社に売電する。計算上220世帯の電力を賄っていることになる。
◎小水力発電から広がる新しい取り組み
・アウトドア:トレッキング、ラフティング
・いとしろカレッジ:一次産業・行き方・結の作業など学ぶ。
・福祉関係
◎地域の力を生かすポイント
・vs行政構造にならないように、一緒に夢をみる。政策を変えればできることもある。(地域のためにならない農林省メニューではなく、地元出資ができるよう改革) 行政にも色んな人がいる。同じ方向を向きやり方を話し合いより良い方法を一緒に創り出すことは可能。
・地域の論理を大切にする。ボスを越えるな、押し付けるな。
◎まとめ
・自給による地域での資金資源循環
・1つの事業を資金源に、別の活動につなげる
・外部内部ともに多アクターとの協働
【石徹洋品店】
薫生里さん…岐阜市出身。カンボジアで伝統的織物に出会う。環境のなかで生きていくたくましさを学ぶ。伝統工芸品の製作に関わる中で、暮らしのルーツにある農山村が危機的状況であることを知る。洋裁の技術を学び、野良着・染物などの天然素材のものづくりを行う。
※杣(そま)大工の話も…日本古来の木造建築技術をもち、山から木を切り出すところから建築までを行う大工。昔は大工+集落の人々で建設した。屋根張りなどは結の作業。
外界と隔絶されて集落ゆえ建築や食料保存技術が残っていた。
《1.2日目 お祭りと共同体 〜郡上おどりと長良川ラフティングを楽しもう〜 in郡上八幡 小林さま 鷲見さん》
◎郡上踊り
日本三大盆踊り。地元の人も観光客も一緒になって浴衣に下駄で踊りを楽しむ。
お祭りの間、屋形が地域から地域に渡され、各地域が主体となり運営されている、完全な地域主導のお祭り。
◎ふるさと郡上会小林さま、鷲見さんによるガイドツアー
鷲見さん 〜歴史散策組
・交通が川から道路へ。交易の拠点ではなくなったことにより、観光向けに地域が発展。
・水路の鯉は昔は生ごみを処理してくれる生き物として飼っていた。
・水路が生活に根付く。皿をゆすぐ、水やり、洗濯など。上流〜下流で皆が水路を活用するため、時間によって用途を変えるという暗黙のルールがあった。せぎ板で水を溜めることもできる。
・鮎の友釣り
◎ラフティング
長良川にて。ラフティングツアー行う会社は20社くらいあるらしい。ボートから投げ出され、崖から飛び込み、身体を張って水の町を満喫。お疲れ様です!
《3日目 観光立国へ 〜持続可能な里山インバウンドツーリズム〜 in飛騨古川 美ら地球 山田拓さま》
【SATOYAMA EXPERIENCE サイクリングツアー】
城下町〜里山へ、半日コース。
城下町の鯉・稲の生育・大工さん(接ぎ手・雲)・飛騨牛・湧き水など説明・見学。
【美ら地球 山田拓さま 講義】
◎美ら地球について
・世界中の人々が訪れ、住みたくなるようなクールな田舎を創造。
海外と里山の間に入り繋ぐ役割。〜日本/他の文化を知る多様性のあるスタッフ。
・暮らしを旅するエクスペリエンス
事業…サイクリング・ガイドツアー/Long Stay 賃貸/旅行会社/宿
地域の人たちは「なんもない」別カルチャーの人にとっては「いっぱいある」暮らしにお邪魔する。
ex.Long Stay マイクロソフトがテレワーク
・調査やボランティア(民家のお手入れなど)で地域に対する意思表示
・ターゲット
欧米豪を中心とした外国人:欧米豪ではアウトドアで旅するスタイルが確立されている。Trip advisorでアクティビティ部門日本一。「Great Scenery, Great People, Great guide!」
満足度を上げるには…
①来てくれた人を全力で喜ばせる。
②ツアーの内容に親和性のある人を狙う。
・ツアーで生まれた4つのHAPPY
★旅人のHAPPY
★地元企業のHAPPY…もう一泊、もう一食
★住民のHAPPY…「居ながらにして海外旅行や」…善意の関係なので、ゲストが増えると最も負担が増えるところでもある。
★ワカモノのHAPPY…ガイドのやりがい
◎事業をつくるということ
・3C分析
Customer 市場創造・獲得は時間を要する。
Competitor いないに等しい。既存業態は避けるor棲み分けする。 ※飛騨古川では、地域の人による「歩く会」があった。よそ者が参入し客を奪ったらどう思うか、想像を巡らせる。
Company モノとカネは比較的容易。ヒトが困難。※仕事への考え方のミスマッチ
Others
ステイクホルダーが多い、ゆえにしがらみ・目配せすることが多い。その中でもキーステイクホルダーの見極めが大変。人口の多数を占める高齢者は保守的・旧態依然な姿勢が多い。
★ど田舎をベースにグローバルと対峙し、ビジネスを展開している。
・国内外の関連するキーマンとのネットワーク
・地域内の既存ビジネスを脅かさず、コラボレーションのスタンスをとる
◎なぜHIDAで…?
知ってるようで知らないグローバル
美ら地球西遊記
1.日本人であるということ 上げ底
2.ライオンの合理的な暮らし
→我々は環境に負荷かけて生きている。
サステイナブルな理想のライフワークをしよう!
mandatory 必須なもの
nice to have 持ってたら良いよね
を考える。前者を増やし後者を減らす。
◎質疑応答
・地域の反応は?
最初は無関心・否定からのスタート。地道にやってきた。意思表示は大切。
・インバウンドについて。
日本はモテ期。開けば入ってくるが、受け皿はない。今後満足度が下がってくるだろう。 …など
※添付のスライド写真も参考にしてください。
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【感想】
城下町×里山と豊かな水が印象的な岐阜遠征でした。
平野さん、山田さんのしごとに共通する考え方が、地域の人や多数のアクターとともに作り上げていく。既存業態を脅かさず、協働していく。といった多様性を受け入れてそれぞれ小さな団体が繋がり良い関係を築くことでお互いにとって幸せである、というものだったと思います。在るものを尊重する気持ちが大切だと感じます。
小水力発電が石徹白で成功したポイントは、ひとつは共同出資する文化があったことと、もうひとつは、官民の間で交渉できる平野さんというキーパーソンの存在が大きいように思いました。
サイクリングでは、ガイドの皆さんが明るく丁寧に案内してくださり、これは満足度が上がるよなぁと実感しました。日本のインバウンドの質を高め、非常に貢献されている団体だと思います。
郡上踊りでは、輪になって踊り、向かいに知り合いがいると、あ、どうも!と挨拶しているおそらく地元の人たちに、ほっこりしました。
地域資源を生かし、いろんな人を巻き込み、皆で幸せをつくる、理にかなった生活をしている方々と出会えて充実した旅でした。
皆さん3日間お疲れ様でした!

「日本人的」な良い森林

levin2020
2018年9月27日

嘉門洋介さんがリンクをシェアしました。
2016年8月4日
遅ればせながら高知遠征の感想です!土佐の森救援隊の中嶋さん、シマントモリモリ団の宮崎さん、本山町のブロガー(実業家?)のイケダハヤトさんと盛りだくさんで刺激的な3日間でした!各テーマで感じたことをツラツラと書いてみました。
○自伐林家
まず、何より地域に根差して暮らす地域に腰を据えて暮らすスタイルとの調和こそ林業の基本であると再認識しました。地域の暮らしは林業だけではつくられるわけではなく、普段の暮らしと一体になって成り立つものですが、現在の委託型森林施業はこの点に十分な答えを出せていないのかもしれません。
一方、現実は難しく、需要側(製材工場)は並みの品質で安定大量供給可能な木材を求めています。そのことに対応すると経営が所有者から離れ、地域の外に外に利益が流れていきます。本来、山の利益、恩恵を受けるべきは、その思いを引き継いできた、その地域であるはずです。その代表者が地域に根差した自伐林家だろうと思います。
しかし、それだけでは回らない経済性、グローバリズム、商品の汎用化などなど大きな現実があり。。いろいろなことに対応しつつ、林業を持続可能な産業として成り立たせなければなりません。一当時者として、現場からの知恵をいかに発信し、広げていくかが、今後の課題と確信しました。
それと、2日目の晩、お世話になった、山下さんご夫妻から心和むお話をお聞きできたのが印象的です。山下さんのご自宅兼ロッジは総ヒノキづくりの素晴らしいところでしたが、もともと親の代から引き継いだ所有山林より丸太を出し、ご両親同士が親しかった、宮崎さんの製材所で製材加工してお造りになさったとのこと。人の繋がりにより、地産地消で建てられたお家は快適そのもので、温かみに溢れる空間でした。また、いつか行きたいと強く思える場所となりました。
○良い森林とは何か
このテーマについて、自分も考えてみました。原生林が良いのか?多様な動植物が溢れる森林なのか?里山的な森林なのか?稼ぎを生む人工林なのか?明確な答えはありませんが、「日本人的」な良い森林があるのではないかと思いに至りました。
私の好きな民俗学者に宮本常一という人がおります。彼は「自然は寂しい、しかし人の手が加わると暖かくなる」と言いました。(「自然と日本人」http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624924430)。日本の自然は人が安全に快適に暮らす場所(住処(すみか))を形成するため、人が自然に働きかけることで形成されてきており、原生的な自然はほとんどないと言います。良くも悪くも日本人にとって、自然は別の何かではなく、人間と繋がっているものである。(これは内山先生のご講義でもでてきたか価値観とも近いと思います。)それは林業にも落とし込める価値観ではないか。
いわゆる里山が代表例だと思いますが、スギ・ヒノキの人工林も同様に捉えることができないか。つまり、戦後植えられた多くの人工林は、貧しかった当時の暮らしを少しでもよくするため、地域で協同組合を設立し、植林し、労賃を得ることで生活の糧とするとともに、子孫によい財産を残したいという思いが込められたものだったのではないか。そのことが一本一本の木には詰まっており、そのことを思って見てみると、一見、無機質に見える人工林も暖かいものに見えてきはしないだろうか。
宮本氏の言うように日本人の自然観は人が自然に働きかけることでつくられた自然であるとするなら、ご先祖様の思いがつまった人工林も暖かい、良い森林と言えるのかもしれません。(もちろん、戦後造林をやり過ぎてしまったというのは事実でしょうが。)
自伐林業はその点、今ある経済性だけではない(今回受け入れてくださった、宮崎さんは経済的でありましたが)過去の思いを引き継ぐ、日本的な温かみをもった森林づくりをされているとも考えられます。
○イケダハヤト氏
抜群の発信力で都会の読者から収入を生むシステムをつくりあげている、そんなイケダさんが今は、高知のお酒文化、柿、はたまた虫に至るまで、本山町に眠る素材を生かした暮らしを目指す「土の人」になっていたことが印象的です。
それは、田舎という「場」がそのような気分にさせるのでしょうか。最近、住んでいる「場」の重要さをよく考えます。都会にいるとどうしても発想や嗜好が都会的になってしまい、無駄なものを買って、何でも消費するのが当たり前になってきます。個人的な体験で恐縮ですが、かつて九州に暮らしていたときは、そんなことはありませんでした。自然と自分で料理したり、あるものをうまく使うといった嗜好になっていた気がします。
とりあえず田舎に行けば何とかなるというのは、こういった「場」がつくりだす気持ちの面での効果も大きいのではないかと感じます。
それと、イケダハヤトさんのように、自由に何でもおもしろく、新しいものをつくりだし、収入を得られる技術と感性をお持ちの方にとったら、他人や行政の支援など無用。むしろ色々面倒なことをいって、ちっとも話を前に進められない意味のない存在なのかもしれません。でも、そういった人たちとも色々と話すことでアウフヘーベンが起こせるはずだ!とも思った次第です。
長々と失礼しましたm(_ _)m

豊かな山を育て、生活の糧を得るには

levin2020
2018年9月27日

、今回の高知遠征の感想です。文章が下手でごめんなさい。
一番感じたのは、自伐型林業は確実に生活の支えになるということです。山に貯金があると思えばいい、という話がありましたが、全くそのとおりだと思いました。自分のペースで切り出してお金に換えればいい。それができるのが自伐型林業だと思いました。
日本の山は急峻なため、搬出が大変でお金がかかるのが悩ましい、という話は以前から聞いていました。ですから、小規模な道を細かくつけ、道具を工夫することで搬出問題が解決できるのは画期的です。稼げてこそ産業として成り立つわけですから、日本中の山が活気付く大きな足がかりになると思います。
一方で伐り出してお金に換えることばかりが出て、植林など山を再生する話にならなかったのが気になったのですが、はたと気づいたのは、戦後の植林で杉、檜ばかりを植えすぎたのではないかということです。
もともと自然林だったところをわざわざ伐って杉や檜を植えたところも多かったのです。それは植えればおカネが出たからでした。
よくもまあ、こんな斜面に植えたものだ、という山も日本中にたくさんあります。移動中にクルマの中から見た山は、殆ど人工林のように見えました。杉や檜でない木はどれかな?と目を凝らしたこともしばしば。
それならば、伐ったところは自然林に戻ってもいいのではないかと思いました。
自伐型は皆伐せず間伐で木を育てる方法ですので、一気に自然林に戻ることはありません。そうなるとしても、ずっと先のことです。
今は、ちょうど伐り時なのです。伐ることで山を再生し整えていく時期です。
将来、少し大きな空き地ができたら、また杉や檜の苗を植えてもいいし、好きな木を植えても良いし、放置してもいいのだと思います。それは山主の自由です。
日本は高温多湿で土壌が豊かなため、放っておいても勝手に植物が生え、やがて森になります。皆伐しない限り、何もしなくても、表面が大きく崩れることはないはずです。
そういう意味では、皆伐は、やはりかなり問題があります。
四国の山は日本で一番斜面がきついということでしたが、そのような斜面を皆伐しても新たな植林など、表面の手入れをすることができません。皆伐地も、いつかは草が生え、木が生え、森に還りますが、それまでの何年か、山は崩れっぱなしになります。四万十川の濁りの原因は、林業地の荒い道造りと皆伐が原因だろうという話も出ました。
やはり、急斜面の皆伐は、自然の再生力を超えた無理のあるやり方だと感じます。
私はこれまでボランティアベースというか趣味的に林業をやってきたので、機械を殆ど使いませんでした。チェーンソーは少し使いましたが、それ以外は全て、鋸、大鎌、鉈、スコップを使った手作業です。
今回知った自伐型林業は、生活のためのものですから、効率的に仕事を進めるために積極的に機械を使います。
それはそれでいいのですが、静かな森に機械の音が響くのも、個人的には少し抵抗があったりします。
鎌や鉈などの道具は、使えば使うほど上達がはっきりとわかり、研ぐことで道具を育てていく楽しみもあります。私の使っている鉈は高知の有名な刃物で、一つ持てば一生モノになる道具です。
また、高知市内で刃物屋さんが並ぶ通りをぶらぶらしていたら、刃物店のおじいさんが、今は何でも機械を使うから刃物が売れなくなってしまったという話をしていました。昔から有名な道具が、こうして廃れていくのはもったいないと思いました。
更に、昔の人は機械を使わずに林業をしてきたわけで、その時代から伝わる技は無駄がなく非常に洗練されています。こうした昔ながらの技も是非、代々続く林業家から教えてもらって、これから先の世代に伝えていければいいと思います。
人工林、特に檜の森は清涼感のある木の香りが漂う清浄な空気に満たされて、冬などはピンっと空気が張り詰めていて本当に気持ちが良いです。
そんな空間も伝統も大切にして、臨機応変に工夫しながら豊かな山を育て、生活の糧を得ることができれば一番良いと思います。Mana Toyokawa 2016年7月27日

林業の未来

levin2020
2018年9月27日

宍倉 惠
2016年7月25日
《7月16日(土)〜7月18日(月) 林業の未来①②、まだ東京で消耗してるの?講座のまとめ・感想》
お待たせして申し訳ありません。
高知遠征、お疲れ様でした!
お天気に恵まれて良かったですね〜。
講座のまとめと感想を共有致します。
皆さん高知県を満喫できましたでしょうか?遠征のご感想、講座のご感想、是非コメントをお願いします!
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《1日目 林業の未来① in佐川町 〜NPO法人土佐の森 中嶋建造さま》
世界をリードする森林大国日本へ
〜そのカギは現行の大規模請負型林業に非ず 小規模分散型の自伐型林業にあり〜
◎日本は林業で発展すべき
・国土の7割は森林(中山間地域)+樹木の生育に恵まれた土地+先進国の技術=林業トップ国であってしかる
◎現行の林業と自伐型林業の比較
①主体
現行:山主/森林組合、素材生産業者
自伐:自伐型林業家
②経営方法
現行:所有/経営・施行の分離。請負型。
自伐:所有・経営・施行の一致。
③施行方法
現行:短伐期皆伐施行=植林後50年で皆伐→再造林 皆伐するごとに山を移動していく狩猟型。
自伐:長伐期択伐施行=他間伐を繰り返し、特定の面積の材積を増やし質を高める山守型。
④コスト
現行:高性能林業機械の購入・維持管理で高投資・高コスト。再造林に高コスト。
自伐:小規模機械で低コスト。長期で間伐し材積・材価ともに高まるため採算に合う。
⑤環境への影響
現行:高性能林業機械を入れるため幅3m以上の広い作業道が必要。1回きりの使い捨てゆえ施行が荒い。→土砂流出を招く。
自伐:持続性を重んじるため環境保全型。作業道は2.5m以下の土砂災害防止につながる造り。人間が山に張り付くことで里山での害獣被害が減る。
◎材価の低下の理由
需要の低下。合板集成材が多用されて原木価格が下がった。
◎自伐は地域再生のカギ
・中山間地域は土地の8割が森林。その資産を使い仕事を生み出すべき。
農業・観光+自伐型林業
副業として自伐型林業を始め、安定させる=土台作り。その後農業や観光で付加価値を追求。
・永続的森林経営は地域や集落のコミュニティ存続へと寄与。
◎自伐型林業=根本療法である。
自伐型林業は、山を荒らしたら仕事にならないので、必然的に環境保全型で持続可能な森林経営を追求することとなる。低投資・低コストのため参入も容易。里山の暮らしの存続にも寄与する。価値創造型。
※自伐「型」林業と自伐林家の違い
自伐林家=山の持ち主であるが、自伐型林業を行う人の中には新たに参入して来る人もいることがあり、必ずしも山の所有者であるとは限らない。しかし何れにしろ山守型であるので、スタイルは同じ。所有名義の違い。
《2日目 林業の未来② in四万十市 〜シマントモリモリ団 宮崎聖さま》
◎講義
・木工・木材業を主に、観光業+自伐型林業で生計を立てる。自伐型林業3年目。
ポイント:山=仕事場は家の近く。2人以上で作業する。
・四万十はヒノキが多い。
・使用する機材:軽トラ+チェーンソー+ユンボ+林業作業車
・まず最初に、幅2〜2.5m、高さ1.4m以下の大橋式作業道をつけた。
・業者による荒い作業道では土砂崩れが起きて、鮎や海老の生息環境が変わってしまう。
・2年目での収入191万円
◎山の見学
・山の入り口の洗い越し…川を軽トラで渡れるように整備する。低コストかつ橋を架けるよりも安全。
・作業道、機材の見学
《3日目 まだ東京で消耗してるの? in嶺北 本山町 〜イケダハヤトさま》
デジタルメディアで年収4000万円!今後リアルな土地も活用して事業始めます。やりたいことありすぎて忙しい日々を送ってます。田舎、めちゃくちゃ面白い。
◎デジタルメディアで月いくら稼いでる?
・広告系
企業広告:50〜60万円
アフィリエイト:100〜120万円
・コンテンツ系
電子書籍:20〜30万円
note:200〜500万円
→月収300万円以上、年収4000万円
◎なんで高知なの?
①飯が美味い
②飲酒費用全国No.1
→高知のお国柄が好き。
◎なんで田舎が良いの?
【東京】
人が多すぎる+流行を追う=やることが皆一緒。IT系のスキルと生活費縮小意欲あるなら東京で働く積極的理由ない。
【田舎】
足りないものが多い、やるべきことでやられていないものが多い。
→やりがいある面白いことができる!
◎嶺北ってどんなところ?
大豊町・本山町・大川村・土佐町の4町村をまとめて、嶺北エリア。四国の真ん中。移住者増加中。
【大人が本気で遊ぶまち】
面白い人が面白いことをやっている。
公園つくったり(極楽)、お祭りつくったり(さくら祭り)、ファンキーなカフェつくったり(ミシシッピ)、それぞれがmyワールドづくりしてる。
【嶺北エリア という連帯意識】
隣接町村でいがみ合いのようなものはなく、町村を越えて、嶺北というエリアで連帯意識がある。4町村で独立国家のような感じ。
(例)田舎暮らしネットワーク
◎田舎で暮らすにはどうしたら良い?
とにかく入り込む!行けばなんとかなる。「困ってます」フラグを立てれば助けてもらえる。
(例)えんたく君
ー本山町に移住した若者への人材投資を実施。「月10万あげるから、なんでもやっていいよ」で、NPO起業するなど、若者が育ち自立している。
(例)ブログ「自由になったサル」矢野さん
◎これから作りたいもの、やりたいこと
・製油、製粉施設
・クラフトビール
・どぶろく
・柿酢
・粉末化させて付加価値つける…田舎にあり活用されていないもの
・発酵モノ…発酵は錬金術である!
・コオロギの養殖
◎田舎で仕事をすることで、環境が良い→パフォーマンスがあがる。更に地域のためになる。などいいこと尽くし! 本気で「まだ東京で消耗してんの?」って思っている。
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【感想】
自伐型林業の山守型=持続可能な環境づくりというお話にすごく納得しました。持続的な循環を作り上げることが林業家の利益につながる、非常に合理的だと思います。現実的な生活するための手段であり、里山再生の希望を感じました。
岡山の農村に暮らしていたときに一番お世話になった、近所の80代のご夫婦は、自伐林業をされている方でした。旦那さんはもともと公務員で、退職されてから山へ入り始めたそうです。宮崎さんと同じ機械の4点セットを使い、作業道を敷き、先祖から受け継いできた山を孫の世代まで残せるよう、丁寧に間伐をされていました。搬出の際は、旦那さんがユンボに乗り、奥さんがワイヤーを木にかけ、2トントラックに積み込み、木材市場に出し、端材は隣町のバイオマス工場に卸していました。そしてその山で原木なめこの生産を行い道の駅に出荷もしていました。
80代と思えないほど元気なお二人は、「山の木の成長を見ることが生き甲斐」といつも仰っていました。わたしも何度も山に連れて行ってもらい、山と人の関係のあるべき姿を学ばせてもらいました。このお二人は、おそらく自伐型林業という言葉はご存知ないと思います。しかし、自然を畏怖し、生かし、生かされる関係を築こうと思えば、自然と自伐型林業のスタイルになるのだなと、今回の講義を受けて非常に納得しました。
腑に落ちない点…というかまだしっくり来ていない点は、誰にとっての「良い」森か、ということです。勉強不足ゆえ「良い森」の定義が私にはまだよくわかりません。良い木が採れれば良い森なのか、雑木の山はダメなのか、生き物にとって良い森と人間にとって良い森に違いはあるのか…。良い森の条件とは?
専門的な知識はありませんが、生き物にも人間にも、両者にとって良い森があるような気もしています。そのお互いが生きていけるような最大公約数の森を追求することが、持続可能な環境を作り上げること…なのかな?と現時点では思っています。
イケダさんのお話も、面白かったですね!本当に楽しそうに生きてるな〜〜と思いました(笑)楽しいことは何でもやろうぜ!という明快なスタンスで、勢いがあり、オモロイ人生の追求をされているなぁという印象でした。都市的な発想と農山村をミックスして、これからどんどん新しい風を吹き込んでゆく方なのだろうなと思いました。この方もまた、農山村の良さと、それを活かしご自身に返ってくるメリットをしっかりと計算されていらっしゃると思いました。イケハヤ村、どうなるのか、楽しみですね。
あ、あと褒め上手だな!と思いました。他の方がお話しされているときに「おもしろいね!」「すごい!いいねぇ!」としきりにおっしゃっていて、周りをやる気にさせる力も持っている方なのだな!と。今後ブログを拝読しようと思います〜笑
全体を通して、官民の協力体制はこれからもっともっと進められたら良いと思いました。「良い社会をつくりたい」そう思い、誰しもしごとをしているはずです(そうであってほしい)。だからこそ、今回、立場を越えてお話ができたことは、良かったのではないかと思います。
嘉門さん、お疲れ様でした!大変勉強になりました。多様な立場から考察し、柔軟に判断をされていらっしゃり、相手に的確に伝える力もお持ちで、すごいなぁといつも思っています。私も嘉門さんをお手本に、様々な角度から物事を見れるよう精進したいです!
そして高知県、我が道を行くという感じでかっこ良かったです。他県と一緒はイヤだ、ポジションとったる!という気合を感じました(笑)ご飯も美味しかったし。もっと開拓したいですね。
皆さんとご飯食べてわいわいできたのもすごく楽しかったです!就活の相談にものってくださった方、ありがとうございました(笑)これからの講座もより楽しみになりました!
※なんだかすごく写真が下手でした、ごめんなさい…。見返してびっくり。笑 マシなのを載せました(^_^;)

農山漁村で稼ぎを創ろう

levin2020
2018年9月26日

宍倉 惠
2016年7月8日
《7月3日(日) 講座のまとめ・感想 農山漁村で稼ぎを創ろう!②〜マーケティング、ビジネスプランニング、ファイナンスの初歩〜》
講座のまとめと感想を共有致します。
いつもに増して遅くなり申し訳ありませんm(_ _)m
皆さんもご感想をお願いします〜!
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【問】 良いと思うビジネスをあげてください。
ー家業・地域特化型・ソーシャルビジネス型・都市型 様々なビジネスがあがりました。(写真1)
★評価したポイントはどこ?(写真2)
①理念・価値観
②ビジョン・ミッション
③戦略・戦術
④組織・制度
★地球の仕事大學としての良いしごと=4方良しの日本版ソーシャルビジネス(前回講義録参照)
【課題発表】 あなたがビジネスをするなら?
ーグループでシェアしたあと、代表で1名ずつがプランを発表・皆さんから質問・コメント。(写真3)
プラン①結の会 大房さん
地域の作家さんの営業代行。都市の飲食店等(+その先にいる生活者)とのマッチング。
プラン②Do One Wood 田中さん(写真4、5)
自伐型林業で薪販売+キャンプ場
プラン③クラフトビールの飲めるゲストハウス 豊川さん
長期滞在者向けゲストハウス。(ドミトリー)宿泊場所・食事の提供。安く長く滞在できる。
★森羅万象から応援されるビジネスとは、、、
ー品質、信頼、価格、そして共感
行動の積み重ねで信頼できるか否か判断される。継続性があるのか。
ー外発的動機(昇進、報酬など外部から)ではなく内発的動機(達成感、自己実現など内面から)を軸に置く仕事をつくること。
★事業プランニング各項目について
ー顧客
・幸せにしたい人を絞らないとビジネスにならない。(ピンホールマーケティング)「こういう人が増えたらいいな〜」像を具体的に持ち、その人に向けてメッセージを打ち出す。
・自己実現⇆お客さん:自分がやりたいことがビジネスとして成立するのか検証すべき。
ー製品(プロダクト)(写真6)
なにより、競争優位性=他者が真似できないものを。常にブラッシュアップする。…ことが難しい。例として、月3万円ビジネス×10コ 全てに優位性確保するのが難しい。
ー価格(プライス)
コスト基準:製造(実行)にどれくらいコストがかかるか
マーケット基準:市場では一般的にどれくらいの値段で取引されているか
両方を行き来しながら適正価格を探っていく。
※マーケット基準に偏ると生産者の「買い叩き」の危険も…
ーベンチマーク、プロモーション
市場はどこ?ライバルは誰?ターゲット層はどこ?
ターゲットを明確に、そこに当たるプロモーションを。
例:「田んぼキャンプ」ターゲット=キャンプに行く人? だとしたらTarzanやBePalとコラボ!
※どこの財布からでてくるのか。今ない予算を上乗せして買ってもらうのではなく、今すでに使ってる予算のうちどの部分をうちで使ってもらうのか。企業のCSR予算などを活用する手も。
例:ジムで体を鍛えてる人→田んぼで身体が鍛えられることを科学(生物学?)的に証明→ジムじゃなくて田んぼで農トレ!
ー資金調達の方法
負債、資本増やす。上場する等、、
★あなたは「担い手」なのか、「プロデューサー」なのか。そしてどの分野で活躍するのか。(写真8)
担い手:生産・加工・現場でのプレイヤー
プロデューサー:アイデアや企画力をもって事業をマネジメント
両者がタッグを組み事業を行う。
★独立自営、自分で道を切り拓くのは楽しい!

 


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【感想】
農山村でのビジネス、たくさんのアイデアが出ましたね。皆さんすぐにでもビジネスを始められそうな勢いで驚きました、本当に…!
ただ、お金を回す、ということはやっぱり泥臭いことがついて回って、軌道に乗せるまでが限りない努力が必要なのだろうな…と思いました。
私は、最初の問が投げかけられたとき、良いと思うビジネスの条件をいくつか考えました。会社があまり思いつかなかったもので、、。
◯モノの生産〜販売まで一貫して関わっている会社:ストーリーを持っている、共感性が高い。
◯モノの生産〜販売まで搾取され人がいない、労働環境が整っている会社。
◯地域社会に人を呼び込める、お金が落ちるきっかけを与えるビジネス。
◯在るモノ、資源を生かしているビジネス。よって持続可能である。
などなど、、。
例によって就職活動で様々な会社の話を聞きに行くと、
あれ、なんか最初は良さそうな会社だと思ったのに、なんかやってることおかしくない?本質的にどう?そういうやり方で意味ある?と考えさせられたり、
世の中むちゃくちゃ分業されてるおかげで技術がすごいスピードで進化していくんだなぁと大量生産・消費・破棄社会の仕組みを垣間見たり、
そういう世界があることは仕方がないし、気持ちもわかるけど、自分がその担い手になりたいのかって言われると違うかなぁとか思いつつも、
やっぱりお金が必要で、今はひとりだから良いけど家族をもったら余計だよなぁ、と思い至ります。
やっぱり4方良しをしてる人がちゃんと生きていける社会をつくらないといけないんだろうと思います。
そういう動きの第一線にいる方、向かおうとしている方たちと地球のしごと大學を通して勉強させてもらい、恵まれた環境に身を置けているなぁと思います。

こめまめ農家というモデル

levin2020
2018年9月26日

宍倉 惠
2016年6月24日
《6月19日(日) 講座のまとめ・感想 こめまめ農家について学ぼう〜兼業による生業づくりをしごとにする〜》
現場作業お疲れ様でした!
講座のまとめと感想共有致します。
皆さんもご感想お願いします!
今回は現場ベースの講義で、私自身参加できない場面もあったので、補足をぜひお願いしますm(_ _)m
【書籍まとめ】
化学物質で大量生産・大量消費。大型機械を入れるためコンクリートで閉ざされ、生物多様性が失われた食物連鎖の起こらない「死の田んぼ」。
そもそも自然に手を加え、環境破壊の上につくられたとも言える「田んぼ」。
その上さらに環境を破壊する仕組みをもつ従来型農業に疑問符を投げかけ、研究を重ね、不耕起移植栽培と冬期湛水が生まれた。
◎不耕起移植栽培・冬期湛水
従来型農業は機械化の都合で稚苗植えだが、苗が老化してしまう。低温育苗で徒長抑制・病気防止に成功。成苗植えに立ち返る。
有機物が田んぼに落ち、プランクトン・イトミミズなどの生き物で満ちた田んぼができる。イトミミズを培養する環境を作るため冬期湛水。その糞と水で草の発生を抑制、肥料分も膨大。さらに、稲わらの根を残すことで、グロマリンが繁殖。その排泄物が土壌粒子を粘着し、団粒構造が進み、土壌が肥沃化する。
日本人の美徳とされる「一所懸命」とは相容れない農法では、、?
しかし、農業がビジネスである以上、低コストで安心安全なものを消費者に届けなくてはならない。漫然と、従来の農薬・化学肥料に頼った持続不可能な農法を続けていて良いのか?
過程だけでなく、結果を求めよ。省エネ・省資源・マーケット重視のコメつくりに励み、地球に優しい環境を積極的につくる農業に取り組もう。
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【講座まとめ】
こめまめ農家のモデル説明と将来性
※前半講義聴けなかったため(聴きたかった!!)レジュメから抜粋。講義出ていた方、補足をぜひお願いします(涙)
★こめまめ農家というモデル
1ha未満の農地で半自給生活+年収100万円〜150万円の稼ぎを生み出す兼業農家モデル。
ー概要
・半農半X、半自給生活。
・消費者が近くにいる、水がそうな中山間地域が良い。
・月10万以上稼げる“X”が必要。
・米と大豆・味噌を自給することで日常食を賄うことが可能。食物の基礎=安心感、地に足のついた感覚を得られる。etc…
ー課題
・土地や家を得る手段
・農家資格の取得のための知識・技術
・初期投資
ー発展
・無農薬でお米と大豆を得るほど作れる農家は現状ほとんどいない。無農薬米糠や籾殻、おからに価値がでる。
発酵系食材や化粧品原料も視野に。
★農業について
・稼ぎにするか趣味にするか。
・顧客の獲得方法
・日本は世界一の食料輸入国
・国家として戦略的に農家を守る意識の希薄さ(米国では補助手厚い)
★半農半X、つまりは新しい兼業農家の可能性
①半農半Xを現実ベースに乗せる
兼業農家として登録し、稼ぐ一つの手段に。多面的機能の交付金取れるように政策化していきたい。
②小規模、ローテク、自律・自立、環境共生型の理想的な職業モデルに
思想と稼ぎを両立=情緒×戦略のハイブリッド型の職業
★地球のしごと農園
都心から近い。衣食住の農の遊園地!にしたい!
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【感想】
「農業は食えない」と言われている昨今、しかし身の回りのものは農から生まれるものがほとんど。しかも国土を守っているのは間違いなく山や水を守り管理している人々。こんなに大事なものなのに、人々の意識から抜け落ちてしまっています。
先進的な例、、理想的な(兼業)農家モデルをつくるには、たくさんの苦労があると思います。はじめからベストを求めるより、ベターを追求して、いずれベストまで持っていく必要があるかもしれないです。人の心身を潰してまでお金のために働く社会、もっといえば、自分たちが立っている地球さえも潰そうとするシステムに乗っかって生きていくのは変だと思います。それでも、生きていく上ではお金も必要ですよね。
お金ってなんだろう…今回に限らず、講座を通して考えさせられます。
“「わたし」個人では満たせない欲求を「お金」という対価を払い、「あなた」の努力によって得られたであろう「わたし」の欲求に値するものを頂きます。”
ということでしょうか。
その欲求が何処まで許されるのか。他人・環境をないがしろにするような欲求でも、お金さえもっていれば許されるのか?……
少し話はずれましたが、生き物の話に戻ります。
地球のしごと農園で農作業をしていると、本当にたくさんの生き物と出会います。特に田んぼは生き物がいっぱいです。循環を図として絵に描けるくらい、目に見えます。そして自分もその中で生きてるなぁと思い、かえるやちょうちょや桑の木に話しかけたくなります。気持ち悪いですね。笑
とはいえ、どうしても機械を使う場面が出てきてしまいます。今日は、刈り払い機でカエルの足をちょん切ってしまいました。足を引きずり必死に逃げるカエルを見て、泣きたくなりました。
だから、自分の身体能力以上のことを可能にするものである、機械や道具って怖いなぁと最近よく思います。 それを使わないことで防げることがあるような気がします。
どこまで許すのか、どこからがアウトなのか。
答えが出るものではないかもしれませんが、考え続けること、そして自分の生活にどうやって反映させるのかが大事ではないかと思います。

便利さと引き換えに生きる力を失っていく 

levin2020
2018年9月26日

宍倉 惠
2016年6月7日
《6月4日(土) 講座のまとめ・感想 農山漁村で稼ぎを創ろう!① 求められる戦略思考と情緒思考》
講座のまとめと感想を共有致します。
皆さんも是非ご感想をお願いします!
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都会の戦略思考×農山村の情緒思考=価値観・違いを理解したハイブリッド人材
◎戦略思考
在りたい状態のイメージ→現在の状態から到達するため思考し計画する。
仮説構築能力×論理思考能力でゴールを設定。
①考える対象の整理
-イシューの分解 フレームワーク
-MECE 漏れなくダブりなく
-5W1Hで確認
②意見・ゴールの仮説
-誰もがパラダイムをもつ
-直観→ロジカルに説明
③仮説が正当である根拠を説明する
-演繹的推論
-帰納的推論
④意見・論拠の構造化
-ひとに伝えるために
-ピラミッドストラクチャー
Why so? So What? で確認
◎日本の情緒
自然は本能的に順応し、祈り、愛する対象であった。寺田寅彦氏は人と人、人と自然の間に情があるという。
日(ひ)の本(もと)の国、日本。太陽信仰の国である。挨拶に垣間見られる。
「こんにちは、お元気ですか」
「はい、元気です」
「さようなら、ごきげんよう」
今日様=たいようのこと。
「太陽の力により生かされている、太陽の分身とも言えるあなた、太陽とともに、生きていますか」
「はい、太陽とともに生きていますよ」
「それならば、ご気分よろしいでしょう」
日本人の暮らしは太陽とともにあり、畏敬の念を抱いていた。
空気を読む、ことは日本独特である。はっきりと言葉にしない暗黙の了解なるものが存在している。言葉や文書にによる取り決めを好まない傾向があり、草刈など行為によるコミュニケーションも存在する。善悪は厳密にはない、はっきりとはわからないことを良しとする世界観。目的を明確にせずとも気付いたら結果が出た、高みに到達している、という物事へ取り組むときの心持ち。
一方論理思考では、不確実なものは想定しないため、情緒は排除される。行き過ぎた現代…マクドナルド化する社会では、無機質で代替可能な提供者と消費者が大量生産される社会が形成される。
※とにかくポジティブ、何とかなるさ、といったポップ心理学的なものは現実と向き合ってない面があり、注意。日本の情緒とは分けて考えるべき。
◎農山漁村で稼ぎをつくる
都市ビジネス×日本的企業×ソーシャルビジネス=日本版ソーシャルビジネスをつくろう。
※本来ビジネスは全て社会のためになること、であるはずだが…。
日本的企業の特徴は、価値観・家訓が受け継がれていること、トップが現場の叩き上げであり共感性が高いこと、恥ずかしくない商品を作り上げることに重きをおくなど。穢れを払い自然と一体化し無我の境地へ行くことが日本人の道へとつながる。
商品を作るのに必要なものは、良く働く頭と器用な手と第1級の道具…この道具の程度をどこまでとするか、である。発展しすぎた技術の進歩で人はいらなくなってゆく。壊れたら直せる、など、人が扱える・使いこなせる技術に留めるべきでは?
労働自体を喜べるしごとに。
世間良し・買い手よし・売り手よし・地球環境良しの四方良しのビジネスを目指そう。購買の従来の評価基準+共感が加わる時代だ。
大手は安心安全思考の市民に合わせたビジネスに着手しつつある。今は『気付いている』わずかな規模の資本・人口の取り組みであるが、将来的には大企業がこの業界に大量投資する可能性がある。精神論だけではその波に飲み込まれ潰されてしまう。
大手にはできないことの一つは、利害関係の輪に入り込み(現場を持つことなど)抜き差しならない状況でのビジネス。頼り頼られる状況の形成。
戦略×情緒でハイブリット型の日本版ソーシャルビジネスを作り上げ、プレイヤーとして活躍し、普及しよう。
※効果的な自己紹介、築地移転問題、リゾート開発などをテーマに個人・グループワークも行いました。
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【感想】
農村にいた頃、地域活性として取り組んだものの失敗したと言えるであろう例を見たことを思い出しました。
自治体が外部からアーティストを呼び数週間のアートイベントを行ったときの住民からの反応は「何だか良くわからない人が来て私たちの地域で何だか良くわかんないことやってる、やめてほしい」
根本的に、イベントの目標が曖昧で一過性の賑やかし程度のものとしてしか捉えていなかった、ということもありますが、こうなってしまった一番の原因は、地域の主要人物とのコミュニケーションが取れていなかったことだと思います。あの人が言うから、あの人がやるなら…農山村ではそういう信頼関係で成り立ってる部分が多々あると感じます。それは論理的に正しい、というよりも、もっと心情的な面で、ちゃんと地域の人とコミュニケーションがとれて、謙虚で、それでいてリーダーシップもある…そんな人柄の面をよく見られています。それが良い方向に働くこともあればそうではないこともありますが…。
ただ、それを知っているか知らないかでアプローチの仕方がかなり変わると思います。
そのアーティストの方のやっていることは面白くて、地域の人と上手くやり取りして継続できれば、良い観光資源になりそうだったのに…勿体無かったなぁと今でも思います。当事者に意識があれば、また、外部者と地域の仲介ができる人がいれば、違う結果になっていたのではと思います。
テーマが戦略×情緒ということで、どちらかに偏らないように考えることは難しいけれど必要なことだ、それを手に入れたら幅広い問題への解決能力が身につくのだろうと思います。表裏、両面を知っておくと、自身がどちらの立場にいても相手をふまえた適切な言動をとることができます。勉強しなく てはいけないことがまだまだたくさんあるなぁと思います。
働く喜びを創造することで、世間に漂う閉塞感のようなものに光が射すのではないでしょうか。いらいらしている人、自ら命を絶つ人を減らすには、社会のため・地球のためになるしごとを選んで行くしかない。本質に触れるしごとは、面白いはず。生活にもろに繋がっていると感じられるはずだから。刹那的な楽しさでモノクロな日々の埋め合わせをするのは、限界があるのではないでしょうか。
技術の進歩をどこまで許容するのか、便利さと引き換えに生きる力を失っていく。
「共感」能力の必要性を強く感じます。物理的に遠く離れた者同士が共感するのは難しい。グローバル化という波が世界に広がるにつれて、共感の欠如が生まれ、悲しみを生み出しているような気がしてもどかしいです。
と、どんどんネガティヴになってきましたが(笑)
私事ですが就職活動の時期でして、どうやって生きていこうか(働いていこうか)まだまだ悩むと思いますが、
良いと思える道を進んで、人生の最後に振り返ってみたら自分の歩いた後の地球はちょっと良くなったかも、そう思えたら良いなぁと思いました。
大介さん、ありがとうございました!

自然エネルギー~エネルギー自給と市民電力の活躍

levin2020
2018年9月26日

《5月29日(日)講座のまとめ・感想 これからの自然エネルギー~エネルギー自給と市民電力の活躍~》
講座のまとめと感想を共有いたします。
皆さんもご感想をシェアしていただけると嬉しいです!一言でも構いませんので是非お願いします^ ^

2016年6月2日 宍倉 惠
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3・11の震災と原発事故をきっかけに、エネルギーの自給への関心が高まっている。私たちは、コンセントの先が、巨大で問題だらけのシステムに繋がっているという事実に向き合わなければいけなくなった。いつまでも原発や化石燃料にしがみついててよいのか。目先の収益だけで物事を考えるのはやめよう。そうした想いから、日本でも市民の間で自然エネルギー革命が始まりつつある。
世界規模で見れば、各国の自然エネルギーへの注目度は近年飛躍的に高まっている。日本はその流れに逆行してきた。「自然エネルギーは現実的な選択肢ではない」と言われてきたが、それは、国が仕組みづくり・長期的なビジョンづくりを怠ってきたゆえである。
環境省の調査によると、潜在的には、風力発電だけで、今日本にある発電設備をはるかに上回る、実に原発500基分もの電気を作ることができる。
しかし、風車の事業には億単位の費用がかかる上に、日本では、地域ごとに各電力会社が独占して、エリア内の電力はそれぞれ自己完結で調整するというシステムをとってきた。豊富な風力資源がある場所から最大消費地である東京に送ることができない仕組みである。この世界的に異例な体制を問い直さずして、自然エネルギーの転換を渋ることは議論のすり替えである。
2012年のFIT制度(電力会社が決まった価格で自然エネルギーの電力を買い取る)により参入企業・グループは増えてきている。国レベルで自然エネルギー普及が進まぬ中、各地域で偏見や誤解と闘いながら地道に事業に取り組んできた人たちがいる。
自然エネルギーは、原発や火力発電といった中央集権型の巨大なシステムとは異なり、小規模分散型のシステムで運営することが可能である。地域の人・グループが主体となり、風土に合わせた地域のためになるものを創り出すことができれば、環境に負荷をかけない上、地域の自立にも繋がる。
ドイツ南部の小さな村シェーナウは、地域で電力会社を立ち上げた先進地である。チェルノブイリ原発事故をきっかけに、主婦たちの脱原発運動からはじまり、大手電力会社から権利を買い取り会社を立ち上げ、今は全国に顧客を持っており、全ての電力を自然エネルギーでまかなう。
神奈川県の地域の電力会社である藤野電力も、トランジションタウン・藤野という地域に根ざしたゆるやかなネットワークからはじまった。震災時の原発事故をきっかけに「そもそもエネルギーや電気とは何か」という問いから、自然エネルギーへと行き着いた。
問われているのは、原発から自然エネルギーへの転換だけではない。大切なのは意識の転換である。
以下、経済成長と引き換えに起こる公害問題とそれを放置する社会に対して警鐘を鳴らした、松下竜一氏の『暗闇の思想を』より抜粋。「誰かの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるのならばその文化生活をこそ問い直さねばならぬ。」(1972年)
とめどない経済成長神話の象徴とも言える原発の崩壊の後、松下氏の思想が改めて注目されつつある。
地域の人から理解を得て、出資を集めることができれば、今ほど多くの収益をあげずとも自然エネルギーを地域に取り入れることができる。大手資本による土地の奪い合いが起き、自治体や地権者はお金がいくら入るかの計算ばかりしている。地域の人たちが自分の子や孫への贈り物として投資してくれたら…と千葉大学・倉阪氏は語る。
電力会社や経済界の利権構造、国益より省益を優先する官僚機構、行政や補助金に依存した人々の意識、といった
日本的なシステムを脱却し根本を転換せねばならない。そして本当に必要なエネルギーや豊かさとは何かについて問い直すべきだ。
そのためには、個人・グループ・地域レベルでの取り組みから始めるべきだ。その小さな動きが連鎖し、いずれは国の枠組みを揺さぶることになるだろう。
私たちは、自分自身の手でエネルギーを創り、社会を変えていくことができる存在なのだ。

【市民の取り組みの例】
・長野県上田市 パネルオーナーで東京と地方を繋ぐ。
・サムソ島 自然エネルギー100% 4島民4000人と対話。
・ソーラーシェアリング 農業+ソーラー発電
・太陽熱温水器 太陽の熱で温めたお湯をお風呂や台所で使う。
・木質バイオマス ペレットにして
・温泉地での地熱利用
など…本を参照。
【中央集権から地方自治へ】
★現在のしくみ:地域は資金を出すことで外部からエネルギーを買う
★未来のしくみ:地域は資金を出し、自然エネルギーに設備投資をし、地域でエネルギーを創り使用する(エネルギー地産地消)→さらに創り出したエネルギーは外部に売却し、地域に外部から資金が入る
⇒しくみづくりが上手くいけばお金が地域内でまわるプラスαの効果が得られる。地域の自立。
★地域で自然エネルギーシステム樹立するポイント
・地域の特長の把握(ないものねだりしない)
・官民の枠を超えて進める
・補助金ありきのプロジェクトにしない
・地域の将来のビジョンをイメージし、どんなメリットを生み出すのか考える
・エネルギーを電気だけで考えない
→エネルギーは手段でしかない
—————————————-
【廃炉への道「核燃料デブリ 迫られる決断」】
ちょうど講座の日の晩、NHKスペシャルで福島原発の廃炉にする取り組みのドキュメンタリーが放送されました。
今回の講義と繋がる部分があるかなと思い視聴したので、以下、概要載せます。
——-
震災の衝撃で、核燃料がメルトダウンした(溶け落ちた)。このメルトダウンした核燃料が固まったものをデブリと呼ぶ。デブリを除去すること=廃炉。3つの原子炉を同時に廃炉にしようという試みは前代未聞。
原子炉と格納容器に二重に覆われている核燃料。それがメルトダウンし、原子炉の底を突き抜けた。格納容器の底にたまったものをデブリと呼ぶ。
福島原発で廃炉に関わる人は1日6000人。デブリを取り除くべく、4ヶ月かけて、原子炉と外を繋ぐパイプの入り口に設置された核燃料を遮るブロックを取り除いた。その入り口からは30分滞在すれば人が死に至る値の放射線が検出された。
人が近づかずにデブリを取り出す方法はふたつある。
・冠水工法
水には放射線遮る効果がある。格納容器を水で満たし放射能の拡散防ぎつつ取り出す方法。
しかし福島では格納容器の損傷が激しく、水漏れするため困難。コンクリートを流して塞ごうとするも未だ実験段階で、すべての穴を塞ぐのは困難。
格納容器の損傷具合も1-3号機で異なるため損傷が酷いものは特に困難。
・気中工法
事故で取り出した前例はなし。水で防げないため、放射能強く危険性高い。放射線の中でも動ける特殊なロボットを開発中。蓋を開閉してできるだけ放射能を漏らさないことに加え、格納容器の気圧低く保ち空気を上に流さないようにする仕組みを開発中。
目標は2051年までに廃炉を完了すること。すでに国と東電は、ロボットの開発に1兆円以上かけている。
デブリの取り出しは2021年に開始予定。来年、2017年にはデブリの取り出し方針を決定する。
どういった方法で安全・確実にデブリを取り出すのか、決断のときが迫られている。安全性を第一とすると廃炉完了予定年数より時間がかかるかもしれない。
—————————————-
【感想】
エネルギーを自給すること=社会の構造を問い直すことである、ということが良く理解できました。
目先の利益に縛られず、将来自分たちの子孫にどんな未来を残すべきなのか、賢い判断を迫られていると思います。
エネルギーは生活する上で身近な存在のはずだが、今利用してるエネルギーは決して持続可能なものではない。
ドキュメンタリーを視聴し、廃炉にするために大変な困難がつきまとうかを知った。非常事態とはいえ人がこれほどまでに異常な危険にさらされないと取り扱えない力に依存していることが恐ろしい。
エネルギー環境を整えることは、インフラを整えることと同義であり、生活の土台であり、未来に残していけるものでもある。
個人で取り組むとなると、まずは節電から…というところが始めやすいと思うが、先進的な例が、地域でのエネルギー自給は夢ではない、ということを示している。
農山村では、人が少ない・仕事がない…など他の目に見えやすい、わかりやすい問題ばかりとりだたされ、エネルギーまで意識を向けるのは難しいようにも思えるが、地域でつくる自然エネルギーの事例では、それによって地域に良い効果を生み出していることがわかる。むしろエネルギーは地域を良くする手段である、とさえ示唆している。
そうした本質的な問題に目を向け取り組むことで、本当の意味での自立したムラを作ることができるのかもしれない。

住まいの再興~伝統的日本家屋について

levin2020
2018年9月26日

《4月24日(日)講座のまとめ・感想 住まいの再興~伝統的日本家屋について》
講座のまとめと感想を共有します。
皆さんもご感想をシェアしていただけると嬉しいです! 宍倉恵 2016.4.24
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山田さんに解説していただきながら日本民家園を見学した後、敷地内伝統工芸館にて座学という流れでした。
民家とは、本来風土に合わせてつくられるものであった。寒さの厳しいヨーロッパでは熱を逃がさぬよういわば「閉じた家」であるのに対し、日本民家は自然と家の中とがゆるやかに繋がった「開いた家」であった。縁側や土間という空間は壁がなく外と中の区別が曖昧で、かつ、働く場=モノを生産する場でもあった。保温・保冷効果のある土壁や、真壁構造によりむき出しの木の柱は、温度や湿度調整機能を果たしている。
総じて、日本民家は周辺環境を生かしてつくられた理にかなうものであった。雪深い地域を除く日本の比較的穏やかな気候ゆえ民家のこのようなスタイルが出来上がった。
家づくりはかつて、村の結(ゆい)単位の共同作業によるものであった。木・土・石といった地域で採れるものを集めてきたり、土を練ったりするのは村人のしごとで、大工しごとは職人が行う。また、ゴミという概念がなく、あらゆるものが資源であった。民家の木材は繰り返し使われ、建築材として使えなくなったら灰にして畑に撒いたり、屋根の茅や藁は牛や馬に与えたりすることが当たり前であった。
しかし現代の家に使われている新建材はリサイクルができず、産業廃棄物として処理される。建材による化学物質過敏症、シックハウスなどの健康被害も問題となっている。外と中のゆるやかな繋がりを持ち、自然の風や光を取りこむ役割も果たしていた縁側は無駄なものとして排除され、家=働く場でなくなったため、土間も不要になった。風土に沿わない断熱重視のヨーロッパ型の家が主流となっている。限られた土地に如何に効率よく、機能・デザイン性に優れた家を建てられるかということが重視されるようになった。
山田さんは、現代の安く・上手く・早い家に疑問を抱き、パーマカルチャーの考え方に基づいた「関係性のデザイン」を実践している。シェルターとしての家という機能だけでなく、環境とのハブとしての家づくり。その土地にある資源を最大限に生かし、分断された関係を再構築する。それは単なる箱づくりでなく、くらし・風土・気候に合わせた場づくりを目指しているということである。そこで建物そのものの超える価値が生みだされ、商品としての家から、住まいとしての価値を持つようになる。
プロジェクトの例として、畑付き・パッシブデザインのエコアパートや、住民が家づくりの企画から行うコーポラティブ方式での里山長屋、コレクティブハウジングという共同施設を用意し住民同士の交流の場をつくる暮らしなどを紹介していただいた。日常生活で共同体を維持する必然性がなくなった現代において、同じ想いをもった人同士が集まれる場をつくることで、健康的なコミュニティの形成も可能となる。
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【感想】
かつての日本の里山の住まいは、裏山から素材を集め、庭には果樹=食べ物が、家の中に働く場があり、それぞれの境界線は曖昧であった。自然と暮らしが繋がっていて、その中で循環していたのですね。
昨年いた岡山県の農山村にはそういった住まいの風景がかなり残っていたように思います。山から木を切り出し薪ストーブに、季節の果物が実り、冬は土間で漬物や味噌づくり、しめ縄で正月飾りをつくったり。内容は現代的になっているとは思いますが、季節に合わせた暮らし方はとても心地の良いものでした。(しかしそういった暮らしを実現できているのは大半が定年後のご年配の方でした。)
また、共同体の維持、という点について。農山村は、住まいと働く場が近いことが比較的多いように思います。勤めに出ている人もいるが、自営や地域の産業に携わる人が多い。生活圏と働く場が重なれば付き合う人も重なるので、共同体を維持する必然性が生じ、相互扶助の関係が成り立ちます。これは生きる上で大切なセーフティネットになるのでは、と思います。そういった意味で、住まいを通じて環境と、人と、繋がりながら暮らすことは、価値観が問い直されている現代で、求められることなのではないかと思います。
あらゆるものが大量生産・大量消費、企業のためのシステムとなっていることを改めて思い知ると同時に、関係性のデザインにより住まいづくりがひと・コミュニティに与える大きな可能性にわくわくする1日でした。日本民家の良さを生かしつつ現代の技術で快適さをプラスαしたお家に、いつか住んでみたいです、、!
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また長くなってしまいました。まとまってないですね、、(^_^;)
皆さんも感想お願い致します!