宍倉 惠
2016年9月1日
《8月27日(金)〜8月29日(月) 岐阜遠征 講座のまとめ・感想》
岐阜遠征、お疲れ様でした!
簡単にですが、講座のまとめと感想を共有致します。
写真は後ほどアルバムにも追加しますね。
遠征全体について講座・アクティビティについてなど、なんでもOKですので、皆さんも是非ご意見・ご感想お願いします!
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《1日目 小水力発電による過疎地域おこし&小商い石徹白洋品店、平野夫婦から学ぼう in石徹白 平野彰秀さま、平野薫生里さま》
郡上市石徹白:縄文時代から年間1000人の人が出入りする、霊峰白山への登山口・神社が鎮座する歴史ある集落。
【小水力発電】
平野さん…岐阜市出身。まちづくりNPOで仕事の傍ら郡上に通う。
◎小水力発電ができるまで
「食べ物やエネルギーの自給で金が地域で循環し、地域が復権するのでは?」と、地元のNPOと小水力発電で意気投合。先進地視察や専門家を呼ぶなど研究を進める。
地元の人と作り上げるため、まずは関心を持ってもらうところから。
①若手でwebサイトづくり
②水車の見学に人が来る→要食事場所提供
③地元女性によるカフェ(くくりひめ)
④ドライフルーツ・特産品
→発電〜別の活動に繋げていく。
◎「石徹白小学校を残そう」「私は子育て あはたはチャレンジ」(=地域皆の孫・信頼関係・良環境のなかでの子育て+自分でしごとをつくりだし生きてゆく)
移住者13世帯27人。内7世帯が家族連れ。しごと=農家、地域おこし協力隊など。
◎小水力発電概要
そもそも生活のため為すべきことが多い集落で人々はどのように暮らしていたか?→結の作業。しごとをつくる。出資して協働組織づくり。
都会化して個人主義が進みつつある。地域の結束高めるためには皆で地域のことをしよう。
①小水力発電で資金づくり
②他の事業へ投資
→地域が力を取り戻す。
計4つの発電機がある。
地域全戸出資(+助成金)による農協が事業主体となっているもの・明治時代の手掘り水路を活用したもの・岐阜県との協働で設置したものなど。
電力会社に売電する。計算上220世帯の電力を賄っていることになる。
◎小水力発電から広がる新しい取り組み
・アウトドア:トレッキング、ラフティング
・いとしろカレッジ:一次産業・行き方・結の作業など学ぶ。
・福祉関係
◎地域の力を生かすポイント
・vs行政構造にならないように、一緒に夢をみる。政策を変えればできることもある。(地域のためにならない農林省メニューではなく、地元出資ができるよう改革) 行政にも色んな人がいる。同じ方向を向きやり方を話し合いより良い方法を一緒に創り出すことは可能。
・地域の論理を大切にする。ボスを越えるな、押し付けるな。
◎まとめ
・自給による地域での資金資源循環
・1つの事業を資金源に、別の活動につなげる
・外部内部ともに多アクターとの協働
【石徹洋品店】
薫生里さん…岐阜市出身。カンボジアで伝統的織物に出会う。環境のなかで生きていくたくましさを学ぶ。伝統工芸品の製作に関わる中で、暮らしのルーツにある農山村が危機的状況であることを知る。洋裁の技術を学び、野良着・染物などの天然素材のものづくりを行う。
※杣(そま)大工の話も…日本古来の木造建築技術をもち、山から木を切り出すところから建築までを行う大工。昔は大工+集落の人々で建設した。屋根張りなどは結の作業。
外界と隔絶されて集落ゆえ建築や食料保存技術が残っていた。
《1.2日目 お祭りと共同体 〜郡上おどりと長良川ラフティングを楽しもう〜 in郡上八幡 小林さま 鷲見さん》
◎郡上踊り
日本三大盆踊り。地元の人も観光客も一緒になって浴衣に下駄で踊りを楽しむ。
お祭りの間、屋形が地域から地域に渡され、各地域が主体となり運営されている、完全な地域主導のお祭り。
◎ふるさと郡上会小林さま、鷲見さんによるガイドツアー
鷲見さん 〜歴史散策組
・交通が川から道路へ。交易の拠点ではなくなったことにより、観光向けに地域が発展。
・水路の鯉は昔は生ごみを処理してくれる生き物として飼っていた。
・水路が生活に根付く。皿をゆすぐ、水やり、洗濯など。上流〜下流で皆が水路を活用するため、時間によって用途を変えるという暗黙のルールがあった。せぎ板で水を溜めることもできる。
・鮎の友釣り
◎ラフティング
長良川にて。ラフティングツアー行う会社は20社くらいあるらしい。ボートから投げ出され、崖から飛び込み、身体を張って水の町を満喫。お疲れ様です!
《3日目 観光立国へ 〜持続可能な里山インバウンドツーリズム〜 in飛騨古川 美ら地球 山田拓さま》
【SATOYAMA EXPERIENCE サイクリングツアー】
城下町〜里山へ、半日コース。
城下町の鯉・稲の生育・大工さん(接ぎ手・雲)・飛騨牛・湧き水など説明・見学。
【美ら地球 山田拓さま 講義】
◎美ら地球について
・世界中の人々が訪れ、住みたくなるようなクールな田舎を創造。
海外と里山の間に入り繋ぐ役割。〜日本/他の文化を知る多様性のあるスタッフ。
・暮らしを旅するエクスペリエンス
事業…サイクリング・ガイドツアー/Long Stay 賃貸/旅行会社/宿
地域の人たちは「なんもない」別カルチャーの人にとっては「いっぱいある」暮らしにお邪魔する。
ex.Long Stay マイクロソフトがテレワーク
・調査やボランティア(民家のお手入れなど)で地域に対する意思表示
・ターゲット
欧米豪を中心とした外国人:欧米豪ではアウトドアで旅するスタイルが確立されている。Trip advisorでアクティビティ部門日本一。「Great Scenery, Great People, Great guide!」
満足度を上げるには…
①来てくれた人を全力で喜ばせる。
②ツアーの内容に親和性のある人を狙う。
・ツアーで生まれた4つのHAPPY
★旅人のHAPPY
★地元企業のHAPPY…もう一泊、もう一食
★住民のHAPPY…「居ながらにして海外旅行や」…善意の関係なので、ゲストが増えると最も負担が増えるところでもある。
★ワカモノのHAPPY…ガイドのやりがい
◎事業をつくるということ
・3C分析
Customer 市場創造・獲得は時間を要する。
Competitor いないに等しい。既存業態は避けるor棲み分けする。 ※飛騨古川では、地域の人による「歩く会」があった。よそ者が参入し客を奪ったらどう思うか、想像を巡らせる。
Company モノとカネは比較的容易。ヒトが困難。※仕事への考え方のミスマッチ
Others
ステイクホルダーが多い、ゆえにしがらみ・目配せすることが多い。その中でもキーステイクホルダーの見極めが大変。人口の多数を占める高齢者は保守的・旧態依然な姿勢が多い。
★ど田舎をベースにグローバルと対峙し、ビジネスを展開している。
・国内外の関連するキーマンとのネットワーク
・地域内の既存ビジネスを脅かさず、コラボレーションのスタンスをとる
◎なぜHIDAで…?
知ってるようで知らないグローバル
美ら地球西遊記
1.日本人であるということ 上げ底
2.ライオンの合理的な暮らし
→我々は環境に負荷かけて生きている。
サステイナブルな理想のライフワークをしよう!
mandatory 必須なもの
nice to have 持ってたら良いよね
を考える。前者を増やし後者を減らす。
◎質疑応答
・地域の反応は?
最初は無関心・否定からのスタート。地道にやってきた。意思表示は大切。
・インバウンドについて。
日本はモテ期。開けば入ってくるが、受け皿はない。今後満足度が下がってくるだろう。 …など
※添付のスライド写真も参考にしてください。
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【感想】
城下町×里山と豊かな水が印象的な岐阜遠征でした。
平野さん、山田さんのしごとに共通する考え方が、地域の人や多数のアクターとともに作り上げていく。既存業態を脅かさず、協働していく。といった多様性を受け入れてそれぞれ小さな団体が繋がり良い関係を築くことでお互いにとって幸せである、というものだったと思います。在るものを尊重する気持ちが大切だと感じます。
小水力発電が石徹白で成功したポイントは、ひとつは共同出資する文化があったことと、もうひとつは、官民の間で交渉できる平野さんというキーパーソンの存在が大きいように思いました。
サイクリングでは、ガイドの皆さんが明るく丁寧に案内してくださり、これは満足度が上がるよなぁと実感しました。日本のインバウンドの質を高め、非常に貢献されている団体だと思います。
郡上踊りでは、輪になって踊り、向かいに知り合いがいると、あ、どうも!と挨拶しているおそらく地元の人たちに、ほっこりしました。
地域資源を生かし、いろんな人を巻き込み、皆で幸せをつくる、理にかなった生活をしている方々と出会えて充実した旅でした。
皆さん3日間お疲れ様でした!